第24章 帰郷
冬樹「自然に融合してから分離して
再び刀に戻ったのに、見えてないのかな?」
夏美「たぶんね。それよりも静かにしてなさい。
あの相手、何してくるか解らないわよ?」
そう二人が小声で話す中
恵土がふと、おもむろに口を開いた…
恵土「…もう、19歳か…数え年で…
それに…婚約なんて認められてなかったし、関係ないだろ…
それにかこつけて、取ろうとしてるようにしか見えねぇよ」
早苗「お前に、何と言われようとも…
その飛龍が無いと、いけないんだ…
今夜は、大事な時なんだ!
10年に1度
空間ごと違う次元に居ることで
護られている、我らの村を護るためにも
再び祈りを捧げなければいけない時なんだ!!」
恵土「えっと…
私がいなくなってから5年と4か月。
あっちでは10年と8か月。
当時、中にいた私が8年歳を取ってたけど
数え年で9歳で、それでもその間は行ってなくて…
ぽんっ!(手を打つ)
わかった!
その後で行われたってことか…
つまり、ってえ?
数え年で3歳の時に行われてる?(←飛龍が教えた)
ええ~!;
私たちの年代がサバイバルさせられてた時じゃん!!;」
早苗「そうだ。だから知る由もない…
さあ、今すぐそれを渡せ!」
恵土「もてない人に言われても無理!;」
早苗「…俺も、一応
その力を、身の一部として持つ者だ…
だから、ここを察知でき
すぐに、こうやって飛んでこれたんだ…
もう、3日とない!
お前でなければ、救うことなどできないんだ!!」
恵土「…今まで…
私を、救おうともしてこなかった奴が…
何言ってやがんだよ…
今の今まで、見向きもしねぇで!
好き勝手に言い放って!
そんで…
ずっと、凶器をぶつけられて血まみれになるのを!
それを見て、何とも思わねぇで続けてきた奴が!
危なくなったから、寄越せ?
都合がいいにもほどがあるだろうがっ!!
私のこと…
一度でも、真剣に考えたことあんのかよ!!??」
逆に、その胸ぐらを掴みながら叫び聞いた…
その眼に、当時の想いを…
涙を、浮かべながら…