第23章 目覚め
ドロロ「頷く)
ちゃんと、出して下され。
そうでなくては…
また、あのように苦しんでしまう…
自分で自分を苦しめ
不幸を、より強く感じるようになってしまう…
それが、拙者にとっては苦しくてたまらないのでござる」
恵土「…
(「あっち行けよ」
「化け物」
「気味悪くない?」
「見ていて気持ち悪い…」
「はぶろうよ、あんな人…」
「そうだな。近寄りたくもねー」)
(ずきっ)…
苦しくて…たまらない、か…
(両親が、目の前で死んでゆく…
雷が明かりになっている中…
激しいみぞれが降る前に、目の前で死んでいった…
自分の命を護るためだと、飛龍を通して知った…)
ぎゅ(拳を強く握りしめ、震える)
これ以上の…
苦しみが、あるっていうのかよ…」
とても苦しそうに、顔をゆがめながら言う恵土に対し
入ってくる光…
心に未だ巣食い続ける…
とらわれ続けてきた闇とは、対照的に…
ドロロ「…さよう(頷く」
黙って聴き入り、その言葉をかみしめるように紡ぎ出した
恵土「これ以上!何があるっていうんだよ!!」
ドロロ「恵土殿が…
最愛の人が、苦しんでいることでござる…」
恵土「!」
ドロロ「拙者にとっては、本当に辛い…
今まで感じた事のないぐらい…
とても苦しく、とても痛いのでござるよ…」
真っ直ぐ見つめ、そう言い切った…
恵土「じわっ)…
なあ…
私って…いちゃいけない存在じゃ、ないんだよな?(涙」
その言葉に、目を涙で滲ませ
涙を流しながら尋ねる…
ドロロ「頷く)
たとえ否定するものがいたとしても、拙者は違う」
そう言った直後、光が差し込み
ドロロへと、当たった…
恵土「!
(ドロロが、光っているように見える…」
それに、思わず見入る恵土…
その中、声が響いた…
ドロロ「それが、本人であったとしても…
拙者は、ずっと受け入れ続けるでござるよ^^」
その笑顔は、どこまでも眩しく…
どこまでも澄んだ、優しく
見ていて、温かみを感じさせられる笑顔だった…