第22章 再来
光だった恵土はダークから体外に出て、人の形となる。
それでもなお
ダークは自身の髭で縛り、力を奪おうとした。
ドロロ「恵t
恵土「手を出さないで…
こいつは…
その思いは、私にしか解らない…
私に、任せてくれ…」
ドロロ「…御意」
その中、近寄ろうとするも
その恵土の言葉に、途中で止まった…
されるがままに、吸い取られる中…
ダーク「ぐるおおおおお!!
ぐああああああああああああ!!;」
ダークの中にある、両親…友達、親戚…
様々な龍へと…
それらへ抱く想いが
その咆哮から、痛々しいほど伝わってきた…
恵土「思いは…
さっきの咆哮からも、十二分に伝わったよ…)
大丈夫だよ…(頭を撫でる)
そんなことはしないし、させない…
私も…同じなんだ…
親を殺されて、自分も殺されかけて…
居場所も、何もかも…奪われた…
自分で自分を殺して
全部を、一時は憎みそうにもなった…
自分がいる、この世界が…
敵に回ったかのように、錯覚して…」
ダーク「!」
気付けば、力を奪うのをやめていた…
その思いが、共感できるものだったから…
恵土「私もさ…苦しくって…辛くって…
でも、それを解ろうとしてくれる人がいなくって…
一度でも、耐えきれずに手を出してしまえば
悪いことをしたって…やっぱり、悪者だったんだって…
勝手に決めつけられて、最初からそうだったようにふるまわれて…
私は傷付けられて当然なんだって、顔をされて…
傷付けられて、殺されかけ続けてきた…
そのおかげで、受け身は完璧になったが…
化け物なんだから、何をやったっていいんだって…
それらがいつも…胸に引っかかり続けて、苦しめ続けていた…
私を傷付けたことは悪いことじゃないし
悪いことはしてないって言われて…
正しいことをしたんだから、謝らないって…
自分は正義って感じで言われた…
伝えたいのは…そうじゃないのに…
必死に耐えて耐えて、頑張り続けてきたのに…
たった一度でも、抑え切れずに牙をむけば…
それで、それまで耐えてきたことも見ようともしないで…
その苦しみも、哀しみも…
今も戦い続けているのに、無視され続けて…
それが…
たまらなく、嫌なんだよな…;(ぽろぽろ」