第4章 波乱万丈
で…
冬樹「そういえば、両親に連絡しなくていいの?
泊まりに来ているわけだけど」
恵土「…いいんだ」
目を伏せながら言う…
その顔は、目がよく見えなかった…
夏美「そういえば、五年ほど何も食べてないって…
あれ、どういうこと?」
恵土「…殺されたんだ…私の両親…
私も、殺される所だった…
私には、居場所なんてなかったから…
ずっと、山の中を流浪し続けていた…」
夏美&冬樹『…』
冬樹「ごめん!
そんなこと、言わせるつもりじゃ!;」
恵土「大丈夫だよ。
おかげで、今は一人じゃないから^^;
それよりも、ここでの文明が
ここまで発達しまくっていたのが何よりの驚きだ^^」
そう笑う恵土に…
自然と、二人も笑っていた…
タママ(へぇ。なるほど。
そうやって和ませるんですかぁ)
どうやら、なごませ方を学んだようです
冬樹「あのさ…
もっと知りたいんだ。聴いてもいい?」
恵土「いいよ。遠慮なく聞いてよ(微笑)
昨日、たくさん教えてもらったからさ^^」
そう答える恵土に対し、話しかけていた
冬樹「どうやって、五年も生き延びてきたの?」
恵土「僅かにでも
人気(ひとけ)のある場所へは近寄らないようにしていた…
それで、ずっと一人で…
自然の中を、歩き続けていたんだ…
ずっと、ずっと…
毎日毎日、自然と動物に会ったりもしながら…
両親が望んでいるのは、復讐じゃない…
復讐したいと思うのは
許せないと思っている、自分の心であって
本人たちは違うこと…
手を血に染めて、汚らわしくしてまで
敵討ちなんて、して欲しくなんかはないってこと…
何よりも…
生きることを望んでいること…
幸せで、笑っていて欲しいってこと…
それ以外、私には解らなかったから…^^」
遠い目をしながら外を見て、微笑み
恵土は、遠い想い出を思い返しながら
両親のことを想い、満面の笑みを浮かべる…