第20章 過去と、今と…
運命のあの日、数え年ではなく
外での数え方で、8歳の誕生日を迎える日…
3月20日
母上「誕生会を開くんだけれど
恵土、水汲みお願いね^^;
ついつい忘れちゃって;
お願いできるかしら?;(両手あわせる」
恵土「いいよ^^」
そして、玄関先で瓶を背負い
行こうとした時
父上「恵土」
恵土「何?父上」
父上の呼び掛けられ、足をとめながら振り返る
すると、左肩に手を置かれ
こういわれた…
父上「何が為に生き、何が故に力を求めたのか…
それだけは、決して忘れてはいけない。
自分が自分でいるために、大切なものだから…
だから恵土…
人として、本当の意味で強く…
そして、生き抜いてくれっ!^^」
そう言いながら、瓶を背負った恵土に
手を離しながら、右拳を向ける
それが…
あの日(誕生日であり、命日に)、最後に交わした言葉だった…
恵土「うん!^^」
そして左拳を向け、ぶつけ合う…
父上&恵土『約束だ!!^^』
そして、へへっと最後に互いに笑い合った…
その直後、ホテルの天井が見えた…
恵土「…夢、か…」
左拳を天井に向けながら、目を覚ます…
太陽の日差しが差し込む中
その左拳を開きながら起き上がり
その開いた左手を見つめる…
その想いは…
過去に抱いた思いと、同じだった…
『ずっと、愛している』
共に抱いた想い、それは
あの時、握り締められていた紙の中にも…見て取れた…
恵土「まったく…(つー」
その想いを、感じ取りながら…
母上の手の温もりも、父上の温かさも感じながら
再び、胸にかけられた
縦2cm、横1cm、厚さ1.5mmの
18Kの十字架を、握り締めながら
恵土「バカ…^^」
震えながら両目から涙を流し、微笑んでいた…
その最後の誕生日プレゼントよりも
大切な贈り物を、確かに受け取りながら…
その数々の贈り物こそが…最大の贈り物であり
最大の「奇跡」なのだと、強く感じ取りながら…