第19章 気付き
恵土「そんなこんなで
あっという間に溶け込んでいた…;」
飛龍『それから、一体化を会得するのに3か月もかかったな…
3月20日、誕生日であり
両親の命日に会得するとは…』
恵土の部屋
和室で月あかりが差し込む中、語られた…
恵土「…おかげで、黒いのが見えたり
(村人たちの闇が見える)
生まれた頃から霊が見えたり話せたり
(村人たちがいる時…
見えなくとも話していたことで変人扱いされる)
知りたくもないことから
目を背けられなかったり…
(勝手に意図やその心が伝わってくる)
本当に、色々あったな…」
月を見ながら…
遠く、幼い頃…
たった一人で立ちすくみ、風に身を任せていた時を思い出していた…
それを見ながら
何も言えずにいる皆に対し…
恵土「私の、神の力を使わずに使える
人間としての力で
音速以上の速度を誇る武術を会得したのだって
自己流で、風月流って名づけたんだよね…
風によって力の方向や流れを感じ
月夜での真っ暗闇の中だとしても
護り抜くために動けるようにって願いを込めて…
でも…
実際は、あの時には間に合わなくて…
(両親を殺される場面が、脳裏に浮かぶ)
苦しい思いばかりだった…」
そう言いながら、少しうつむく
ドロロ「恵土殿…」
恵土「でもさ…
おかげで、皆と出会えた
今、救われた
その間、飛龍は何も言わなかったよね;」
飛龍『お前なら
絶対に乗り越えられると信じていたからな(微笑』
それに対し、一瞬呆気にとられながらも
恵土は、嬉しそうに微笑んだ。
恵土「そうか(微笑)
これからもよろしくな、飛龍^^」
飛龍『当たり前だ(微笑』
飛龍/恵土
『俺が、お前を護る!/私が、皆を護る!(真剣&微笑』
月夜の中、再び一つの誓いが立てられる
私は、皆を護り抜きたい。その笑顔を…
俺は、そのお前を護り抜きたい。その笑顔も…
その想いから
一つの誓いを立てた、あの夜の想いも共に…
遠い過去から、どれほどの時が過ぎようとも…
この想いだけは、変わったりはしない…
そう、強く実感しながら…