第19章 気付き
恵土「本当に…そうなの?
私は…
あれから、自分というものを持っちゃダメなんだって思った…
自分を主点としたら…
大切なものまで見失いそうで…
もう二度と、見失いたくなんかなくって…
そうする以外、私には思いつかなかった…
『潰れればいいんだ…自分なんて……』
生きていたものを食べるのだって…抵抗があった…
それでも、食べて欲しいっていう
食べて、喜んで欲しいっていう気持ちを感じると…
食べるしかなくって…
でも…こんな自分に、食べる価値があるのか…
その命を食らってまで、生き永らえる価値があるのかって…
いいのかなって…迷いながら食べた…
すると、不思議とおいしいって気持ちと
嬉しいって気持ちが湧き上がってきて…
気が付いたら、感謝しながら笑ってた…
満面の笑みを浮かべながら…
笑うことしか出来なくなってたあの五年間…
その笑いにしても…
ただの、浮かべただけのものだった…
相手のために、自分の気持ちなんて…
全部無視して…
それで相手が笑えるのなら…幸せなら…
他はどうでもよかったんだ…
自分はもう、どうなってもいいってことしか
頭にはなかったんだ…
だからさ…
自我を一度失った今となっちゃ…
二度目から生還した今では…
また解らなくなってきた…
喜んでいいのか、笑っていいのか、
怒っていいのか、泣いていいのか…
それで、相手に負担やら迷惑をかける方が
私にとっては辛いし、苦しい…
だから…
また、何度も迷ってる…
でも、だからこそ
貴い(とうとい)んだって、解るんだ…
今という現実も…
それまでの、過去も…
それまでに、必死になって積み重ねてきたもの
その全ても…
それを、もうお前たちはクルルから
知っているんだって解ってる…
それでも…
こういう風に考えて考えて悩んでしまう…
大切だから…考えずにはいられない…
本当に大切で、大事だから…
!ってごめん!;
全然整理つかないまま話しまくって!;」