第19章 気付き
それでも、今はこう思うよ…
あの時の、父上と母上の気持ちが
今はよく…本当にわかる…
死を覚悟したあの時、あぁ言った気持ちが…
あの「愛している」という紙を握り締めて伝えようとした気持ちも…
必死に抱き寄せて、掴もうとした気持ちも…
父上と母上に…
『ずっと一緒に居るって言ったじゃんか…
何で先に死んじゃったんだよ、バカーッ!!』
って気持ちも、確かにあった…
それでも、知ってしまった…
あの死の間際…
大切の人の為なら、死んでもいい…
護れるのなら
大切な人の、時を紡ぐ手助けができるのなら…
死んだっていいって…それ以上に大好きなんだって…
何よりも、愛しているんだってことを…
幸せで笑う、あの笑顔ごと…
本当に愛していて、どうしようもなくなるんだってことも…
(父上と母上の笑顔が脳裏に浮かび、
自身もまた、共に笑っていたことを思い出し
そう思い出しながら、その両目に涙が浮かぶ)
本当にありがとう…
ずっと、一生愛しているよ^^
本当に…
それ以外、言葉が思い浮かばないよ…
父上…母上…)
目に涙を浮かべながら
それでも満面の笑みを浮かべ
両親からの、最後の誕生日プレゼント…
胸元に在る、十字架のK18のネックレスを握り締めながら
涙をこぼし、笑っていた…
本当に、心から幸せを感じ取り…
目を堅く瞑りながら、悪夢を脳裏に浮かぶ中
それを、深く噛み締めているかのようにも見えた…
ドロロ(…恵土殿)←通信機で伝わってる
恵土(今からでも、届いている?
ずっと、愛しているよ…
あの時(過去)も…今も…)
そして涙をぬぐい、和室へと走り出した…
ドロロ「恵土殿、大丈夫でござるか?」
恵土「!
(見られてた…
まあドロロにならいいや^^)
大丈夫だよ^^
本当にありがとう、ドロロ。
あの時、助けてくれて(微笑」
ドロロ「礼を言うのはこちらの方でござる。
恵土殿がいたからこそ、拙者は助かった。
それは、変えられない事実でござるからな^^」
恵土「!
…そうか(微笑」
一瞬驚きで目を見開き
その言葉の嬉しさに、笑みがこぼれ出た…
ドロロもまた同様に微笑み
二人は互いに見つめ合い、満面の笑みを浮かべてから
和室へと走っていった…