第19章 気付き
恵土(助けを求めているような感じがした…
本当にうっすらだったけど…
心の奥底で、そう感じていることも解っていた…
だから…
ほうっておけなかった…
それだけなんだ、私がしたこともさ…)
そうして…
眠りについている間に
リングがあった頭の部位に包帯が巻かれていた…
晩御飯を食べる中…
その包帯を触りながら思う…
ちなみに、戻ってくるまで
軍曹は、散々怪しまれていたのだそうな…
夏美「何か変なこと企んでんじゃないでしょうね!?」
ケロロ「ないであります!!;」
恵土(ごまかすの、本当に大変だったんだな;)
ドロロ(ありがとうでござる、隊長殿)
そして…
冬樹「ねえ!怪談しようよ!」
恵土「おー!」
夏美「え!?;」
睦実「じゃあ行こうか。
冬樹君の部屋でいいの?」
冬樹「ううん。
もっと気分を出すためにっていえば…
和室だよね」
下から懐中電灯をつけながら、おどろしげに言う冬樹…
夏美「ひっ!?;」
それに対し、思わず怯える夏美だった…
そして部屋に向かって歩む中
一人、最上階の窓から見える星空を眺めながら思う…
恵土(紆余曲折してばかりだった…
それでも、今は…
こんな、ありのままで居られる場所に居られる…
食べるのでさえも、自分にはそんな価値はないって…
そればっかりで、自分を責めてばかりいた…
村人よりも、先に死んでいった父上と母上よりも…
一番憎んで、責めていたのは…怒りを感じていたのは…
他でもない、その時に何も出来なかった…
傍に居ること以外、
聴くこと以外出来なかった「自分自身」だった……
護り抜くと決めた…
そのために強くなり続けた…
そのために、何年も必死に修業し続けてきた…
それでも…
護れなかった現実ばかりが、脳裏によぎる…
あの血の記憶だけは…
今までの記憶だけは、どうあってもぬぐえない事実…
だから…
あぁいう風に、壊そうとするのが本当によく解るんだ…
ああ、自分を壊そうとしていた…
自分自身を殺そうとしていた、あの時の自分と同じだって…
だから余計にほっとけなくて、逆に逆手に取られた…