第18章 悪夢黎明(あくむれいめい)
到着すると、暗雲が立ち込めていて…
暗闇のように真っ暗だった…
そして入ると
暗闇の中、誰かが横たわっているのが見えた…
恵土「ドックン)やめろ…」
囲炉裏とは違う、玄関から見て
すぐ近くの、ごく普通の和室…
そこに
中心から見て左側に、うつ伏せの体制のまま
↙の向きに倒れている男性と
中心から見て右側に、うつ伏せの体制のまま
↖の向きに倒れている女性がいた…
雷の音が響き、光が差し込む中…
見えたのは、毎日見ていた…
血塗られた、両親の姿だった…
幼恵土「…父上!母上!?」
ガシャン!!
思わず瓶を落とし、それでも必死に駆け寄るも…
意識がまだあるようには見えた…
だが…
母上の肩を掴むも、ぐったりとしていた…
恵土「…」
がくっ
あまりもの衝撃に、ひざまずく…
そんな中、響いたのは…
「早く止めを刺してやれよ」
そんな村人の声だった…
幼恵土「ぶちっ)おm
がしっ
幼恵土「!!」
それに切れた音が響き
村人たちへ振り返って、行こうとした直後
左腕を掴まれた…
母上「恵土…
解っているでしょう?^^
心は常に…共に在り…
ずっと、見守っているから…
ずっと…
あなたと一緒に居られて…
本当に、幸せだった^^
今も…そして、過去も…
だから恵土…
これから先、何が起こったとしても…
どうか、自分を責めないで…
そんなあなたを、私は愛しているから^^」
そう言いながら
幼い自分の左手を握る…
温かな手のぬくもりを感じ
涙がにじむ…
その中、雷の音が響きながらも
最期の言葉が、響き渡った…
恵土「…っ;」
幼恵土「母上っ;」
母上「恵土…
誕生日に、祝いの日にっ…
本当にごめんね…
それでも、本当に幸せだった…
今も…すっごく…
だから恵土…
お願いだから…
生きて、幸せになって…ね……」
ぽとっ
恵土の涙と共に
力尽きて落ちる、母上の手…
それを必死に再び掴むも…
その手は、動くことはなかった…
それっきり…動かなくなった…
笑顔のまま…
傍に居ることを感じて、安心しているかのように…
失っていく温もりを感じながら、もう一人の方を見る…