第18章 悪夢黎明(あくむれいめい)
意識が落ちる中…
必死に二人は、恵土のいる場所へと向かっていた…
クルル「おい、これだけは覚えとけ」
ドロロ「何でござるか?」
ギロロ「こんな時に…手短に話せよ?」
クルル「こんな時だからこそだぜぇ。
恵土が張った結界の境界線で戦え。
あいつらの星も
俺たちの星と同じぐらい科学が進んでてよぉ。
とある装置を相手の頭部につければ
相手を奴隷のように好きに動かせるってのがあるらしいぜぇ。
大分前の時にやったが、
宇宙風邪をひいた隊長につけて操ったりした時と同様にできるかもしれねぇ。
それだけは頭にいれとけよぉ?」
ケロロ「とりあえず、気絶させるだけ!
両方共に、無傷で帰って来るように!!OK!?」
ドロロ「御意!」
ギロロ「難易度が高過ぎるがな;(溜息」
ケロロ「つべこべ言わないでGOGOGO!!
海岸に居る皆の方は、我輩に任せるであります!!」
そんなやり取りを交わしながら
ギロロは普通のハンドル付きのフライングボードで
ドロロは手裏剣型フライングボードで、全速力で向かっていた…
着くまで、あと3分…
その頃…
恵土の方はというと…
意識が暗闇の中…
小さい頃の自分が見えた…
恵土(…ん?…泣いてる…
小さい時…岩や手裏剣やらクナイやら…
色んなものを投げつけられて…ひどい目に遭ってたっけ…
毎日、暴力があって…
例え、武力による暴力がなくなっても…
言動によって伴う暴力の連続ばかりだった…
その日常による笑顔を、見つからないように見るだけで…
それだけで幸せだった…
見つかったら、同様にやられるだけだから…
嫌がるような顔しか、絶対にされないから…
絶対に、見つからないようにした…
見つけることも、そういうこともないように…
必死だった…
結局…
一人きりで、耐えていくしかなかった…
両親に知られたくなかった…
巻き込みたくなんかは、なかったから…)
その眼の前で、何度も傷付けられ…
物心のついた、3歳から8歳までの5年間…
しかし、その誕生日だけ…
より、迫ってくるように感じることになるとは…
まだ、思いもしなかった…