第17章 海
3時間に亘って、連続で続いたぶつかり合い…
それは、苛烈を極めていた…
だが、山にも海にも
存在する全てに影響がないように
繊細なコントロールがなされていたためか…
全てが、無傷な状態でい続けていた…
山の、とある崖のふちで
宇宙船が見えないように停泊した状態のまま
二人は向き合いながら、ひざまずき
両者は共に肩で息をするぐらいに、息を荒らしていた…
恵土「ぜぇ…ぜぇ…
(流石に、こりゃ限界だな;やばい;」
「ふっ。どうした?来ないのなら、こちらから」
ぶつっ
うぅぅぅん
その直後、機械が止まるような音が聞こえ
光の粒子が、完全に消え去った…
恵土「…まさか、機械で可能にしていたとはな;」
「…だが、光速はもう使えない。お互い、そうだろ?
(お前はその気になれば
光速以外の力を、瞬時に自在に出せるだろうがな…」
恵土「そうだな…」
「…ふっ…
どうやら、ここまでか…
お前のように、真っ直ぐに向き合ってくれる奴が…
俺の星に居れば…
もっと、早くに出会えていれば…
俺は…きっと救われていたのだろうな…」
恵土「…なあ、今からでもやり直せば…」
「無理だ。宇宙警察が来るのだろう?
あと2時間…だが、もう遅いんだ…
だから…もう、終わりにしよう…
俺は、ここから海へ跳び込んで死ぬ」
恵土「!!バカなことを」
「これ以上近付くな!!
…もう、ゆっくりと休ませてくれ…
お前の想い、それだけで十分だった…
さらばだ」
ひゅっ(崖となっている部分から飛び降りる)
恵土「待て!!」
だっ
そうして、必死に駆けつけようと走った…
ぴっ
恵土「!!」
だが、足元から地雷を踏んだ時と同じような音が鳴り…
ざあああああ
恵土「なんだこれ!?」
その直後、何かの粒子から物質が構成されていき…
頭部にリング状にまとわりついた…