第17章 海
その数分前…
男性の語る答えとは…
「貴様は、何もわかっていない…
それを乗り越えられるものならいい
だが、誰しもが
そのようには生きられるわけではない。
乗り越えようとしても、乗り越えようとしても…
何度も壁が高く深く立ちはだかり、どうしようもない…
それで…何が仲間だ?何が絆だ?
笑わせるな…お前は運よく出会えただけだ…
お前を理解してくれる人たちに…
だから今、笑いあえている…
誰もが、そういられるわけじゃない…
解っているだろ?本当は…
その気持ちも、その憤りも…苦しみも……
その全てを!
お前なら理解しているはずだ!!
俺はもう…理解したのさ…
長い間、一人でいた…
友と呼べるものもいない…
あるのは、ただの命令と、機械のサポートだけ…
もう嫌気がさしているんだよ…
こんな日常も、こんな感情も…存在している全てが!
…
こんなに苦しんでも、何も助けはない…
助けとなる存在など、何もない…
なら、俺にできることは…
この世界を壊すこと以外あるめぇよ…
そのために、お前の力を手に入れ
そして…手始めに、この星を壊していくのさ!
お前も憎しみがあるなら解るだろ!!??」
そう叫ぶ男性に対し…
恵土「…それがどうした?」
「!!」
静かに睨み据えながら、そう言った…
恵土「理解しているさ…
その孤独も、それで何を得るのか…
空虚となったこの心に、何が残るのか…
それはもう、解っているだろ…
過去に共に過ごした想い出は、今も変わらず隣に在る!
重ね合った思いは、淵となりて
今までに積み重なった暗い影をも、明るく照らす!
両親と共に過ごした想い出!
親友と共に過ごした想い出!
両方共に、掛け替えのないものだ…
だからこそ…
無関係な人たちを巻き込んでまで
それを壊そうとするお前を、私は止める!!
お前を…
世界を壊そうとした悪人には、絶対にさせない!!」
その想いは…
一人だった自分に、そうして欲しいという願いがあったからこそ…