第16章 夏休み
恵土「…皆と一緒に居ること。
そして、皆で一緒に笑って幸せでいられることだ^^」
ドロロ「!」
恵土「小さい時から…夢だったんだ…
いつだって、一人きりだった…
ずっと、誰も隣にはいなかった…
居たとしても、寄り添ってはくれなかった…
大事にしようとしてはくれなかった…
その時だけの付き合いって感じでさ…
両親だけだったんだ…
それでも、今は違う…(目を瞑って微笑む)
ちゃんと寄り添って、理解して…
その上で寄り添って、共に笑っていられる…
(共に過ごした人たちを思い出す)
そんな人たちが、すぐ傍に居る…
(共に満面の笑みを交わした瞬間を納めた
温泉旅館で撮った一枚の写真を見る)
今、とっても幸せだよ(微笑)
何も、文句も浮かばないぐらいにさ…^^」
ドロロ「そうでござったか。
それは何よりでござる^^」
恵土「ねえ、ドロロ…」
ドロロ「?何でござるか?」
恵土「私…
小さい時から、決めていたことがあるんだ」
ドロロ「?」
恵土「…もしも、私にそんな人ができたら…
一緒に、腹の底から笑い合いたいって…
飽きるくらい笑って、それでも一緒に居たいって…
どんなに嫌な思いをしたとしても
ずっと、一緒がいいって…
今では、こう思うよ…
世界中の全員が、幸せで笑い合える…
そんな世界に、なったらいいのになぁって…
そうしたら、皆が笑って…
争いなんてなくなって…
皆が皆、寄り添い合って
互いをありのままに受け入れ合って、理解し合って
心を分かち合えれば…
今まで、争いで死んでいった人も浮かばれるかな…
また、生まれ変わりたいって思えるような…
そんな世界にさせたいって…
そう、想うんだ…」
月夜の中、そう語る恵土に対し
ドロロは黙ったまま、その言葉に聴き入っていた…