第14章 ドロロの家
恵土「……え?」
耳を疑ったかのように…
言葉も、理解も一瞬止まった…
ドロロ「此度の件…
侵略に行ったはずのペコポン人…
恵土殿に、拙者たちは助けられたでござろう?…
つまり…
そこで、再び侵略するのは…
仁義に反する行為…
軍人として、してはいけないことだと…
侵略者としては…
再び、ペコポンにはいけそうにないでござる」
恵土「…」
ドロロ母「あぁ。よかった。まだいたのね」
ドロロ「!
母上!何故走って」
ドロロ母「とても、大事なものみたいだから…
どうにかして届けたくて^^;」
そう言って
固まったままの恵土の代わりに
ゼロロへと差し出したのは…
一枚の写真だった…
ドロロ「!
これは…温泉旅行の時の…」
その写真は
つい最近、温泉旅館の前で撮った集合写真で…
皆が満面の笑みを浮かべていた…
恵土「…そっか…
上役の決定じゃ…仕方ないよな…」
その言葉は、心なしか…
どこか、沈んでいるようにも見えた…
ドロロ「恵土殿…」
恵土「…」
そう写真を手に呼びかけるも
顔をそらしたままの恵土…
ドロロ母「二人共、もう遅いから
家に泊まっていって。
夜は危ないから」
その言葉に従う二人だったが…
最初に抱いていた、楽しげな雰囲気じゃなかった…
最初は、とても晴天で昼間故か光り輝いていた空が…
いつの間にか、夕暮れになり…
どこか、沈んでいるようにも見えていた…
ドロロの家
恵土(…そうだよな。
元来、ケロロたちは
侵略者として、ペコポンに来ていた…
なら、ペコポン人から護られたのなら…
上役から、軍人としてのって言われたら…
撤退するしかないってことか…)
切なげな顔をしながら
割り当てられた部屋の、ベッドの上で
ドロロの人形、もとい通信機を愛おし気に触る…
ドロロ「恵土殿…」
ドロロもまた、自室で思っていた…