第13章 想い
~入院中、おまけ話~
逃げ足
恵土「ふう。やっと歩けるようになってきた」
肩を回しながら、目覚めてから一日が経った時
ようやく、辛うじて動くようになってきた体を見ながら言う恵土…
ドロロ「恵土殿、もうお昼時。
そろそろ、昼ご飯を食べないでござるか?」
恵土「ん?食べる^^」
だが…
もわああああああん
ドロロ「恵土殿、食べて下され^^
納豆でござる(微笑」
恵土「な…」
きゅおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!!
その直後、恵土は風となって消え去った
(少なくともそう見えた)
ドロロ「!?;恵土殿!?;(あわあわ」←取り残された
恵土「臭いからして苦手だ!!;)…;」
冷や汗と共に、必死に激走する…
実を言うと…
飛龍の村では、生まれた子は2歳を過ぎると
3歳まで、森の中で生き抜くという試練を与えられる。
それが出来なかった子たちは、生きる資格もないとのことで
村へと帰ることを許されない
1月1日から、次の年の1月1日まで
熊や猪から逃げると同時に、一人で生き抜かなければいけない…
それによって、身につけられたのが
体幹の強さ、平衡感覚と、柔軟かつ速やかな動き
周囲の環境を利用した身体動作で、
どんな地形でも自由に動ける肉体と
困難を乗り越えられる強い精神の獲得
軽快で、巧みで、頑丈で、耐性…
天敵に出会った際、即座に走り出す瞬発力
熊や猪をも凌ぐ俊敏性と、ボディコントロール
それらは全て、自然という過酷な環境で過ごすことで
身につけられるのだった…
それ故、凄まじい勢いで
同類の人たちの中でも、それよりも倍速以上に洗練された
どんな障害物があろうとも
逆にそれを利用して、無駄が一切ない動きによって
0.1秒で、10m先までいっていた…
恵土「ぜぇぜぇ」
そこで隠れていたのだが
ドロロ「恵土殿(ぬっ」
恵土「わぎゃあ!;」
かああああああぁぁぁぁぁぁん!!!
レーサーの車の音を立てながら、疾走された…
=逃げられた;
ドロロ「…;何かあったのでござろうか;」
あなたの手に持ってるもの、考えて!;