第13章 想い
ドロロ「ジーン)恵土殿…」
それに、涙を浮かべながら恵土を見つめるドロロ…
恵土「大好きで、仕方がなかったんだ…
だから…
最初から、信じてなかったかもしれない…
大事だって思ってたのは、自分だけだったのかもしれない…
それでも、そんな村人たちが…
そんなあいつらが…大好きだったんだ!!
本当に、大好きだったんだっ…
だから…こんなに痛いんだっ!;
(左胸を、左手で握り締める)
村人たちの笑顔を見てると、笑えてくるんだ…
心から嬉しくて、笑えてくる…
なのに、自分のせいで曇るのが…
嫌な人にさせるのが…たまらなく、嫌だったんだ…
生きてて、ごめんねって言いたかった…
自分が生きてるせいでってばっかりで…
周りはそれを、肯定するばっかりで!…;
どうしたらいいのかなんて解らなかった…
自分を責めることしか出来なかった!!;
それでも…
ドロロが違うって言ってくれた…
それごと愛してるって、言ってくれたっ…;
本当に、嬉しかったんだ…;
ぐずっ;
ねえ…見てる?
今度は…護れた…
護れたよ…
父上、母上…(拳を握る)
皆も一緒だよ…;
(ケロン星人の子が笑っているのを見つめる)
皆も、笑ってるよ…;
(脳裏に浮かぶ、病室での満面の笑みを浮かべる皆)
本当に、ありがとう…
生かしてくれて、産んでくれて…
『一番の宝物』に出会わせてくれて…
本当に、ありがとうっ…;
涙が止まらない…
涙が、止められない…;
どさっ(ひざまずく)
ひっく;うぅ;っ;あっ;うっ;く;」
声を震わせながら最後まで言い、嗚咽をあげながらひざまずき
地面へ倒れるような体勢で
拳ごと両前腕部をつけ、顔を地面へ向けたまま泣きじゃくる…
それに、ドロロもまた涙をこぼしながらひざまずき
黙ったまま、その頭に右手を乗せ、優しく撫でた…
恵土「ぅっ;ぁっ;
うあああああああああああああああああああ;;」
その安心感に、絞り出される声…
押さえていた思いが、せき止められていた想いまでもが溢れ…
涙となって、流れ落ちていく…
零れ落ちていく…
一つの想いが、嵐のように解き放たれ…
その嵐の後の…明るくて優しい、温かな雫のように…