第1章 彼と別れた
今日も退屈な1日が始まる。
友達は1人もいない。
クロハと付き合った代償。
クロハと別れれば、友達も出来るだろう。
友達が出来たら、なにしよう。
カラオケ?
ゲームセンター?
買い物?
やりたい事が沢山ある。
クロハとのデートは楽しいけれど、
やっぱり友達とも遊びたい。
なんだ、クロハと別れたら良いことづくめじゃないか。
陰口も、嫌がらせもされない。
友達も作れる。
友達と遊びに行ける。
早く放課後にならないかな、さっさと別れて幸せになりたい。
普通は付き合って幸せになりたい。だろうけど、
俺の場合は違うもんな。
そんな時、後ろから紙が回ってきた。
この字は姫迫か。
クロハ大好き人間。
自称クロハの彼女だとか。
バカじゃねぇの?
妄想もいい加減にしろって。
内心笑いながら読む。
『昼休み、校舎裏に来なさい』
なんてワンパターンなんだろう。
どうせカッターキャー。とかだったり?
まぁ、それをさせる前に、
別れることを伝えれば一件落着か。
どんな顔をするのかな。
姫迫の奴。
少し楽しみだ。
俺は『分かりました』とだけ書いて姫迫に返した。
後ろをチラ見すると、
姫迫はどす黒い笑みを浮かべていた。
うん、
キモいわ。
周りにドン引きされてんぞ。