第3章 彼女に捨てられた
その日、俺は手下の蛇をアイツらのアジトに忍び込ませた。
そして、その蛇の目を使って様子を見ていると、
信じ難い光景が目に入った。
「な、っ……」
盗むと琴美がキスをしていた。
ふざけんな。
なんで、キスなんかしてんだよ。
琴美も琴美だ。
なんで俺以外の奴とキスしてんだよ。
それも、そんな気持ちよさそうに。
琴美は、俺を捨てたのか。
俺を捨てて盗むの方に行ったのか?
そんなの、許せねぇ。
琴美は俺だけのもんなんだよ。
誰のものでもない、
俺だけのもの。
そうだ、
いっそ監禁してしまおう。
そうすれば、俺だけを見てくれる。
早く、早く実行しねぇと。
ふ、はは…
ははははははははははははっ!!
「琴美…お前には、最高の罰を与えてやるからなぁ…」
覚悟しろよ?
泣き叫んでも、何しても、
助けは誰も来ない。
お前は俺だけを見てればいい。
感じていればいい。
盗むに渡してたまるかよ。
すぐに迎えに行くからな。
そしたら、永遠にずっと一緒だ。