第3章 彼女に捨てられた
その日から、琴美に話しかけても無視される。
鬱陶しい姫迫とかいうやつがベタベタしてきて気持ち悪ィ。
さっさと琴美のとこに行かせろよ!!
琴美は俺と付き合う前と同じように、女友達と仲よさげに話している。
そんな奴、お前の事なんか何も知らないだろ?
俺がよく知ってる。
琴美の事なら、なんでも。
早く、早く取り戻さないと。
汚れちまう。
琴美が、汚れちまう。
何度も、何度も。
何度も、何度も、何度も。
何度も、何度も、何度も、何度も。
取り戻そうと手を伸ばすが、
琴美はそんな俺の手をすり抜ける。
そして、見てしまった。
俺が一番苦手とする奴らと琴美が接触したところを。
確かに琴美は能力持ちだ。
俺がよく知っている。
次の日、琴美はずっと上の空。
友達の問いにも反応が遅れてるし、
絶対になにかあった。
帰り、何故か盗むが校門前に来ていた。
誰かを待っているみたいだが…
まさか。
「せ、セトさん!?」
あぁ、やっぱり。
それより…
なんで琴美は頰を赤く染めてんだ?
その顔を見せていいのは俺だけだろ?
それに、嘘だろ?
盗むを好きになったとか、じゃねぇよな?
もしもそうなら…
消すぞ。