第2章 メカクシ団
学校に居てもセトさんの事ばかり考えてしまう。
ボーッと窓の外を見つめながらセトさんの事を考える。
明日から夏休みだ。
ということは、セトさんと過ごせる時間が長くなる。
あ、でもセトさんバイトしてるとか。
休みの時は構ってもらおう。
なんて考えながらつまらない授業も聞き流す。
放課後。
俺は教科書とノートと筆記用具をカバンに入れて帰ろうとしたその時。
「琴美ちゃん!イケメン君がお呼びだよー!」
「え?」
「校門で待ってるから早くしなよー!」
友達にそう言われて急いで校門に向かった。
そこには、
「琴美さん、帰りましょう」
ニコッと爽やかイケメンスマイルを浮かべるセトさん。
なんで居るんだ…!?
「せ、セトさん!?なんで…」
「あ、っと…琴美さんの制服には見覚えあって、だから、その…迎えに来たんすけど、嫌、っすか?」
子犬のような目で見られ、俺は大袈裟に首を横に振る。
すると、セトさんは嬉しそうに笑った。
そして俺の手を握って歩き出す。
いきなり手を繋がれてドキドキする。
チラッとセトさんを見ると少し頰が赤くなっていた。
「ッ……!!!琴美…琴美は、俺の、なのに…クソ……あんなお子ちゃま集団の、何が良いんだよ……」
日に日にクロハがおかしくなる。
そんな事も知らない俺は、セトさんに恋をしてる。
この時、早く気付いていれば、
あんなことにはならなかったはずなのに。