第5章 溢れる想い
12月23日(出発まであと1日)
ガラガラ…
「おはようさん」
「おはよう。朝早くからご苦労だね」
村「それより、ええんか??」
「何が??」
村「何がって…すばるのことやん。明日には出発するんやろ??」
「うん…」
村「今日言わな」
「…言わないよ」
村「なんでや。チャンスやろ」
「チャンスって(笑)…3年でしょ??3年あったら、みんな色々変わってるって」
村「そんなん、分からへんやん」
「すばるを苦しめたくない」
村「は苦しいんやない??もし、3年たってすばるが結婚してたら、お前は心から祝えるか??」
「今は無理。でも、3年後ならできるかもしれない」
村「それじゃあかんねん」
「いゃいゃ…」
村「それやと、が幸せになってないやん。俺は前にちゃんと言ったやろ。俺の願いはが幸せになることやって」
「……」
村「今日がすばるにちゃんと気持ちを伝える最後のチャンスやん」
「だから、最後に困らせたくないんだって」
村「それは違うで。逃げてるだけやん。俺らはもういい大人なんやから、ちゃんと伝える事も大事やで。それに、すばるは人一倍人の気持ちが分かるから、ちゃんと答えてくれるって」
「…うん…」
村「アメリカに行くのを決断した勇気があるなら、大丈夫やって」
「もしダメだったら??」
村「そんときはそんときや」
「出たポジティブ‼」
村「(笑)人生、楽しまんと損やろ」
「(笑)」
村「元気出たか??ほな、行ってくるわ」
「行ってらっしゃ~い」
タッタッタッ…
「…今日が最後か…」