第8章 サッカー大会と歩美の恋
光 「・・・歩美ちゃん・・・」
光彦はその場から逃げるように立ち去った。
歩 「光彦君・・・」
光彦は家に帰るやいなや部屋に飛び込んだ。
朝美 「あら帰ったの?今日の試合どうだったの?」
そこには光彦の姉朝美がいた。
朝 「まったく、ただいまも言わないで、もしかして試合負けちゃったとか?しょうがないおねえちゃんがはげましてやろう」
そう言って朝美は光彦の部屋をノックした
朝 「光彦、入るわよ」
光 「ね、ねいさん?」
朝美が部屋に入ったら光彦はベットで泣いていた。
朝 「がんばって負けたんだから、くよくよしないで元気出しなさいよ」
光 「ねいさん・・・」
朝 「ま、またがんばればいいさ」
光 「負けてませんよ・・・」
朝 「え、か、勝ったの?」
光 「えぇ、優勝しました」
朝 「ならなんで泣いてるのよ?」
光 「こ、これは、その・・・」
朝 「ははーん。もしかして失恋したとか?」
光 「え、そ、そんなんじゃありませんよ・・・」
朝 「歩美ちゃんだったけ?あなたが好きな子」
光 「な、なんでそれを?」
朝 「なんでって、あなたを見てたら誰でもわかるわよ。姉さんになにがあったのか言ってごらんなさい」
光彦はしぶしぶ朝美に話した。
朝 (あっちゃー、相手が悪すぎるわよ。よりによって新一君だなんて・・・)
朝 「で、歩美ちゃん一人置いて帰って来たって訳ね」
光 「はい・・・」
朝 「あんたって最低ね、女の子一人置いてくるなんて。元太君に言われたんでしょ?送って行ってくれって?」
光 「はい・・・でも・・・」
朝 「でもじゃない、それに歩美ちゃんが新一君の事好きなのはわかったけど、あなたはそれであきらめるの?」
光 「えっ・・・どういう事?」
朝 「女なんてね、好きな人くらい変わるわよ。あなたは前はあの灰原って子の事好きだったんでしょ?それに新一君だって歩美ちゃんを選ぶとは限らないでしょ?」
光 「そうですが・・・」
朝 「じゃ新一君に負けない所あなたにもあるんじゃない?」
光 「負けない所?」
朝 「・・・・・・・・(そう言えばあの子なんでも出来たわね)」
光 「負けない所・・・そうだ、僕自分で歩美ちゃんに言いました。歩美ちゃんを好きって気持ちは負けないと」