第12章 最悪の事件・・・
平 「ちょっとそこの奴、その子を放してくれへんか?」
男 「ちかづくな、それ以上近づいてみろ」
そう言って男は胸に隠していたナイフを取り出し平次に向けた。
平 「へーそれは立派な銃刀法違反やで」
平次は冷静に男に向かって話し始めた。
平 「誘拐未遂、銃刀法違反、それに公務執行妨害までつけるか、われ?」
平次は懐から警察手帳を取り出した。
平 「おとなしくその子を離したら、まだ誘拐未遂でおさめるで」
平次は男にじりじりと寄っていく。
男 「く、くそー」
男はやけになり哀を振り払うかのようにして平次にナイフを向けて突進していく。
平 「あぁ~これで確定やな」
男は平次に向かってナイフをかざし向かってくる、男のナイフは平次の腹の辺りを狙っていた。
男 「しね~」
男はナイフを平次に向かって突き刺した。しかし、平次はそのナイフをさっと避けて男の握っていたナイフを叩き落した。
平 「もう観念せー」
男 「く、くそー」
男は周りを見渡し、その目で志保と和葉は見つけ、そっちの方へ走っていく。
平 「そっとはあかん」
男 「そこの女ー」
男は志保に標的を合わせた。
和 「志保ちゃん逃げな~」
志保 「は、はい」
志保はなぜこの女の人が私の名前をと思ったが今は考えている時間が無く、和葉の言うとおりにするしかなかった。
男 「ちっ、ならお前を人質に」
平 「あっ・・・」
男は和葉を人質にしようと手を伸ばした。
平 「あかん・・・」
男 「これで形勢逆転・・・」
男が和葉の腕を取ろうと腕を伸ばした。しかし、
和 「はーーっ」
男は腕を取ろうとしたが逆に和葉に腕を取られて地面に叩きつけられた。
男 「ぐ・・・」
男は地面に勢いよく叩きつけられた。
平 「だから言わんこっちゃない・・・」
倒れている男に平次は呟く様に言い放ち、警察を呼んで男を引き渡した。
和 「大丈夫?哀ちゃん?」
哀 「えぇ・・・」
哀は少しおびえた様に答えた。
志 「哀~大丈夫?」
志保が哀に飛び掛るように抱きついてきた。
哀 「大丈夫よ志保、服部君と和葉さんがいたから」
哀は志保の頭をなでながら二人を見た。その姿を見ていた服部は、
平 「大丈夫かちっこいねーちゃん?」
哀 「えぇ、おかげさまで」