第8章 サッカー大会と歩美の恋
元太と光彦は二人の席の反対に座った。
光 「歩美ちゃん今日の僕どうでした?」
席に着くや否や光彦が歩美に話しかけた。
歩 「格好よかったよ」
光 「えへへ」
歩 「それに元太君も、みんなも格好よかった」
元 「へん」
元太は鼻の下を指でかいた。
光 「まぁ、僕のアシストが効きましたよね?」
歩 「そうだね、でも新一がちゃんと決めてくれたから。やっぱ新一が一番格好よかったよ」
そう言って歩美は新一にくっついた。
新 「ちょ、歩美」
光 「・・・・・・」
元 「なに落ち込んでるんだよ光彦?」
光 「元太君には関係ないですよ」
そう言って光彦は席を立った。
元 「なんだあいつ?」
歩 「さぁ?」
新 (なんか微妙な感じだな)
新 「そういや俺そろそろ」
元 「なんだよもう帰るのか?」
新 「これこれ」
新一は左足を指差した。
元 「あぁ、しょうがないな。なんともないならいいな」
新 「あぁ、じゃ俺いくわ」
歩 「じゃそこまで送っていく」
新 「いいよ、博士もうすぐ来るし」
歩 「駄目よ、一人で歩いたら。私マネージャーなんだから」
新 「そ、そうか、なら肩貸してくれるか?」
歩 「うん」
こうして新一は歩美の肩を借り店を出て行った。二人は博士を外の駐車場で待っていた。その間歩美はきょろきょろと周りを見ていた。
新 「どうした歩美?」
歩 「うんうん、なんでもない」
新 「ごめんな、汗くさいだろ?」
歩 「ぜんぜん。それにこれはがんばった証だし」
新 「ありがとな」
歩 「ねぇ新一?」
新 「なんだよ?」
歩 「向こう向いてくれない?」
新 「なんでだよ?」
歩 「いいから」
新 「わーったよ。こうか?」
新一は言われたとおり向こうを向いた。歩美はきょろきょろと周りを見渡し、新一のほっぺに唇をあてた。
新 「な、な、」
歩 「志保と哀がおまじないしたから、私は御褒美って事で」
歩美は下を向いたまま言った。
新 「あ、ありがとうよ」
新一は今キスされた頬を指でかきながら言った。その時タイミングよく博士が車で現れた。
新 「じゃ、博士来たから病院行ってくる」
歩 「うん。結果教えてね」
新 「あぁ、また連絡する」
こうして新一は博士の車で病院へ向かった。