第8章 サッカー大会と歩美の恋
新 「いっけー」
新一はダイビングボレーを放った。ボールは右足にジャストミート。キーパーは一歩も動けなかった。ボールは右隅へ決まった。ゴールと同時に終了のホイッスル。今日一番の歓声が起こった。
新 「よっしゃー」
松 「な・・・お前ケガを・・・」
新 「空中なら軸足はいらないだろ?」
松 「なんて奴だ・・・負けたよ」
新 「これで五分だな」
松 「あぁ、この勝負は中学でな」
二人は固い握手を交わした。そこへ帝丹イレブンが駆け寄ってきた。
元 「新一~」
光 「新一君」
新 「おめーら、光彦ナイスパスだったぜ」
こうして試合は2-1で帝丹が初優勝を飾った。表彰式中、新一はベンチで涙ぐんでいる歩美に向かって親指を立てた。それを見て歩美も涙をふいてにっこりといつもの笑顔を見せていた。表彰式も終わりフィールドを後にする頃、最前列に哀、志保、博士が降りて来た。
志 「おめでとう~かっこよかった♪わたしのおまじない効いた見たいね♪」
博 「新一おめでとう」
新 「ありがとうなみんな」
哀 「で、足はどうなのよ?」
新 「あぁ、ちょっと無理したからな、一時使い物にならないだろうな」
哀 「病院は?」
博 「乗せていくぞ新一」
新 「いや、今日はいいや。この後みんなと打ち上げあるんだよ。歩美が準備してるから」
志 「でも新一、病院で見てもらわないと・・・」
新 「わーたよ、少し顔出してから連絡するから、先帰ってな」
こうして3人は先に家へと帰っていった。そして帝丹サッカー部は近くのファミレスに集まっていた。
元 「そしたら、優勝を祝ってカンパーイ」
一同 「かんぱーい」
一同はわいわい、がやがや喋ったり、食べ物を食べたりしていた。
歩 「新一足はどう?」
新 「あぁ、この後博士に病院に連れて行ってもらう」
歩 「そう・・・大丈夫?」
新 「ま、一時何も出来ないだろうな」
歩 「ごめんね」
新 「歩美のせいじゃないさ」
歩 「でも私が新一のケガの事わかっていれば」
新 「歩美、もうその話はやめよう。優勝できたし、よしとしよう」
歩 「・・・うん。でもお守り効かなかったね」
元 「なに二人の世界に入ってるんだよ新一?」
新 「ば、ばかな事言ってるんじゃねー元太」
光 「そうですよ新一君」