第8章 サッカー大会と歩美の恋
そう言って志保は自分の部屋に戻って行った。
哀 「あなたみたいに出来れば私も楽なんだけどね・・・」
そう言って哀も布団に入った。
次の日の朝、朝早く博士の家のチャイムがなった。哀は階段を下りて玄関に向かった。そこには新一が立っていた。
哀 「こんな朝早くに何の用?」
哀は目をこすりながら新一に言った。
新 「別に用はねーんだけど、なんとなく顔見たくてよ~志保は?」
哀 「あの子はいつもこんな早くに起きないわよ」
新 「そうか、まぁ哀の顔見れたしいっか」
新一は手を頭の後ろに組んで哀に言った。
哀 「あら、志保の顔見たかったのかしら?」
新 「どっちの顔も変わらねーだろ?」
哀 「まぁそうだけど・・・」
新 「じゃ行って来るからな、応援来いよ」
哀 「わかったわよ。そのかわり勝ってよね」
新 「あぁ、決勝まで負ける気しねーよ、てか決勝でも負ける気しねーがな。じゃ試合会場で」
そう言って新一は家を出ようとした。
哀 「ちょっと待って新一」
新 「なんだよ?」
哀 「ちょっと待ってて」
そういい残し哀は階段を急いで駆け上がり自分の部屋に入り机の上に置いていたお守りを持って階段を下り玄関へ
哀 「これ、いっぱい貰ったでしょうけどはい」
哀はお守りを新一へ手渡した。
新 「あ、あぁ、ありがとな」
哀 「そ、それと」
チュ
哀は新一のほっぺに軽くキスをした。
哀 「勝ってね」
新 「哀。あぁ、もちろんだ。ありがとな」
そう言って新一は家を出た。その姿が見えなくなって哀は扉を閉めた。
志 「まったく朝から見せつけちゃってくれて」
哀 「志保?いつからそこに?」
志 「あなたがお守りを渡すとこからよ。朝からばたばたと階段上り下りされたら起きるわよ」
哀 「見たの・・・?」
志 「えぇ、可愛い顔してキスなんかしちゃってさ」
哀 「ちょとお~」
志 「いつもそんな風に出来ないのかしらね?」
哀 「・・・・・・」
志 「まったく、私もう少し寝るわね」
そう言って志保は自分の部屋に入って行った。
哀 「まったく、あなたのせいで間に合わないじゃない」
志 「だって焼けたくないし~」
哀 「いつまでも日焼け止めなんて塗ってるからよ」
志 「ごめ~ん。勝ってるかしら?」
二人はやっと試合会場に着いた。