第8章 サッカー大会と歩美の恋
光 「あ、ありがとうございます。僕の為にわざわざ。新一君はいっぱいもらってますが、僕は歩美ちゃんのくれたこのお守りが一番効きそうですよ~」
歩 「もう、大げさだよ~」
光 「そうです、歩美ちゃんが僕だけにくれたお守り、いいでしょ~」
光彦は元太と新一にそのお守りを誇らしげに見せた。
歩 「元太君と新一のもあるよ~」
光 「えっ、僕だけにくれるんじゃ・・・」
元 「残念だったな光彦」
落ち込む光彦を見て元太は光彦の肩をたたいた。
その夜、いつみどうり博士の家で晩御飯を食べ、ソファーでくつろいでいたら、
博 「そういや新一、明日から試合じゃなかったか?」
新 「あぁ、まぁ決勝までは負ける事はねーよ」
博 「そうか、じゃがケガだけはするんじゃないぞ。決勝戦はわしも見に来るからの~」
新 「あぁ、楽しみにしていてな博士」
志 「私も楽しみにしてるんだけどな~」
そう言って志保が新一の横に座って新一の顔を覗きこんだ。
新 「そう言うわりには夏休みに入って練習見に来たことがあったか?」
志 「だって~焼けたら嫌だし~」
新 「あ、そう」
志 「でも試合は見に行くから~」
新 「でも試合は昼間だぜ、焼けるぞ?」
志 「いいのよ。格好いい新一見たいし~」
新 「意味わかんね~」
哀 「そうね確かに意味が解らないわね」
哀はそう言ってコーヒーを新一に手渡した。
志 「別にいいじゃないの哀~」
哀 「まぁ、あなたを理解するのは難しいから」
新 「で、哀お前もくるよな?」
哀 「考えておくわ」
志 「どうせ来るくせに~本当素直じゃないな~」
新 「素直になってと思ったら、これだもんな~」
哀 「私がいつ素直になったのかしら?」
新 「それは、そのあの時・・・」
哀 「ちょっと、新一!」
志 「あぁ~あの時ね~」
哀 「もう、知らない」
そう言って哀は自分の部屋に入っていった。
哀 「はぁ~私ってなんであんな事言っちゃうんだろ。志保みたいに言えたら・・・」
哀はそう言ってポケットの中からお守りを取り出し握り締めた。その時、玄関が開いて閉まる音がした。その音を聞いて窓を開けて外を見た。その姿に新一も気づいた。