第8章 サッカー大会と歩美の恋
季節は夏休み。新一達は夏のサッカーの大会へ向けた練習に励んでいた。本番を来週に控え練習にも熱が入る。
歩 「みんなお疲れ様~」
歩美はみんなへタオルやスポーツドリンクを渡していた。
新 「あっちい~」
元 「そうだな~でも大会までもう時間がねーぞ」
光 「そうですよ、今年こそ優勝しなければなりませんから」
新 「そうだな」
こうして練習は遅くまで続いた。今は夏休み中、しかし練習には多くの女生徒の姿があった。もちろんお目当ては、
「新一君~がっばって~」
「今年こそ優勝よ~」
新一のファン?の子が大半を占めていた。こうして明日に本番を控えた日練習は午前の軽い練習とミイティングだけで終わりとなった。練習が終わり部室から出てきた新一は大勢の女子に囲まれた。
「新一君、これ」
「私も」 「私も」
そう言ってその子達からお守りをもらった。
新 「あぁ、ありがとう」
新一はその差し出されたお守りをすべて受け取った。こうした行為がみんなを勘違いさせる事を新一は知らないでいた。
元 「あいかわらず新一はいいよな~」
光 「本当ですよ」
その光景を二人は部室を出てきながら言った。
元 「帰るぞ新一」
新 「おぉ、ちょっと待て、手に持ちきれねーんだ」
光 「はいはい、そうですね待ちますよ。どうせ僕たちはお守りなんてあてにしてませんから。ねぇ元太君?」
そう言って元太の方を見た光彦に信じられない物が目に入った。元太のバックに付けられたお守りを。
光 「元太君・・・もしかしてそれは?」
元 「あぁ、これか?これ貰ったんだよ」
そう言いながら元太はバックに付いたお守りを手に取った。
光 「だ、誰から貰ったんですか?」
元 「誰でもいいだろ~」
光 「誰でも良くありません、まさか歩美ちゃんじゃ?」
元 「ちげーよ、・・・マリアからだよ・・・」
光 「マリアちゃんから?」
元 「あぁ、」
光 「そんな、じゃ貰ってないのは僕だけって事ですか・・・」
光彦は寂しそうにに言った。その時後ろから、
歩 「あ、光彦君~」
歩美が光彦を呼んだ。
光 「歩美ちゃん~なんですか?」
歩美は光彦にお守りを手渡した。
歩 「これ、お守り。ケガしないようにね」