第3章 本当の気持ち
蘭は病院での事を話した。灰原が目を覚ましてそこに駆け寄るコナン。その姿を見てコナン(新一)は灰原の事を好きかもしれない、私よりも…あの二人は同じ境遇、私が入る隙間はない。その瞬間私の心の中からも彼が離れていったような気がしたことも。
和葉の目から涙がこぼれ落ちる。蘭は和葉の手を握り
蘭 「ありがと、私のためにわざわざ来てくれて、それに…今朝朝早くあの新聞見てね、園子が来てくれたの」
和 「園子ちゃんが…」
蘭 「うん。今の和葉ちゃんみたいに私の事自分の事のように泣いてくれて」
和 「あたりまやん、うちも園子ちゃんと一緒で蘭ちゃんと親友やん」
蘭 「ありがと和葉ちゃん…」
和 「ねえ蘭ちゃん、今から新一、…コナン君の所へいかへん?」
蘭 「えっ…」
和 「だって蘭ちゃん新一君の事好きなんやろ?それに新一君は死んだかもしれんけど、コナンくんは新一くんなら蘭ちゃんの事好きかもしれんやん」
蘭 「……」
和「ええやん、蘭ちゃんの気持ち伝えよ、それに哀ちゃんともきちんと話してみよ」
蘭 「哀ちゃんとも…?」
和 「そうや、あの二人がいくら同じ境遇でもコナン君の中には新一君がいる。蘭ちゃんと同じ時間を過ごしてきた」
蘭 (そうだ、私新一に気持ちを伝えていない、どうせ諦めるならきちんと気持ちを伝えてから)
蘭 「うん…ありがとう和葉ちゃん」
蘭にいつものような笑顔が戻り二人は抱き合い二人で泣いた。その姿を扉の向こうから平次がやさしく見ていた。