第12章 最悪の事件・・・
それは暑い夏の日、夏休みまであと1週間の夕方だった。新一は相変わらず部活だけは精一杯活動していた。
新 「あっちー」
そう言いながら汗を拭った。
歩 「お疲れ様」
新 「おっさんきゅうな」
歩美が差し出すタオルを受け取る新一。
歩 「気合入ってるね」
新 「あぁ、もうすぐ試合もあるしな」
歩 「そのくらい授業の時もしてくれたらいいのに。先生達困ってたよ」
新 「だって退屈だからさ・・・」
歩 「まぁ新一頭いいから・・・でも毎回哀達に探しに行かせてるし・・・」
新 「あぁ・・・ま、気をつけるさ」
そう言って新一はまた練習に戻ろうとした。その時、
「1年3組の工藤新一君職員室まで」
校内放送で新一は呼び出された。
新 「はいります」
新一は職員室に入っていった。そこには担任、学年主任や教頭先生が集まっていた。
教頭 「あー来たかね工藤君」
新 「なんですか?」
教頭 「実はだな今度アメリカの中学とうちの中学で交換留学の話があってな」
新 「はぁ・・・」
教頭 「それでなうちの方としてもそれなりの生徒に行ってもらいたいと思ってな」
新 「それってもしかして?」
教頭 「あぁ、うちからは君に行ってもらいたいと思ってるんじゃよ」
新 「えぇーーー」
新一は急な話でビックリした。その様子を見ていた担任の先生が
先生 「お前は授業態度に問題があるが頭は良い、それに英語は普通の会話程度なら十分できると英語の先生からも聞いてる、それに向こうに行ってその態度が少しでも向上するならと思ってな」
新 「ちょ、ちょっと待ってください、俺は・・・」
教頭 「ま、夏休みが終わってからの2週間程度だ宜しく頼むよ」
教頭は新一の話を聞く間もなく出て行った。いきなりの話で呆然とする新一、そこに担任が
担任 「大丈夫だ、向こうでは日本人の先生がいるそうだ、それに泊まるところもその先生の家に泊まっていいことになっているから心配するな」
そう言って担任は新一の肩をポンと叩き出て行った。
新 (まったく・・・俺の気持ちは無視かよ・・・)
その後の新一は部活にも意欲がなくなり、部活が終わると待っている哀や志保、歩美を忘れ一人で家に帰って行った。