第11章 中学入学
元々顔はアイドルなみに良く、その上新聞にも取上げられるほどの有名人。頭もよく運動神経抜群。それに中身はハタチを過ぎているのでその辺の同じ年の男よりずっと大人びている。その様子を見ていた一人の女性が声をかけてきた。
「ちょっとあなた達、今年入学する子達よね?入学式に間に合わないんじゃないの?」
その声に女生徒達は視線を預けた。そこには長い黒髪を一つ結びにして眼鏡をかけ、いかにも勉強ができるような女生徒が立っていた。
「私はこの中学の生徒会長をしている松永真由美。早く行かないと遅刻するわよ」
その声を聞いて一斉に新一の周りから離れて学校に入っていく女生徒達だった。そして取残された3人に真由美が近づいてきた。
真 「あなたが工藤新一君?」
真由美は眼鏡を上げながら新一に聞いた。
新 「はい。さっきはありがとうございます。でもどうして俺の名前を?」
真 「有名人ですからねあなたわ。有名人は大変ね、でもあなたも遅刻するわよ」
新 「あ、やべー。行くぞ哀、志保」
そう言って3人は足早に学校へ入っていった。そして無事入学式も終わりいつもの面子が集まった。
元 「腹減ったな~」
光 「もう、元太君は中学に入ってもそればっかりですね」
元 「そうか?」
歩 「もう元太君たら。でももうクラス別け出てるんじゃない?」
光 「そうですね、見にいきましょう」
そう言って3人は足早に走って行った。その姿を後ろで3人は、
新 「そんなにクラス別けが気になるのか?」
哀 「あら?あなたわ気にならないわけ?」
新 「別にどうでもいいじゃねーか?」
志 「どうでもよくないわよ!」
新 「なんでだ志保?」
志 「だってどうせなら新一と一緒のクラスの方がいいわよ」
新 「そうか?どうせ家では一緒なんだから」
哀 「確かに新一の言うとおりね」
新一と哀はどうでもいいようだった。しかし哀の本心は違っていた。
哀 (本当は新一と一緒がいいわよ私も・・・)
3人も掲示板に向かった。そこには先に着いていた3人が声を上げていた。
元 「まじかよ~」
光 「しょうがないですね・・・」
歩 「そうだね・・・」
そこに新一達が来て、
新 「そうだった?」
歩 「あっ、新一見てよ」
そう言って歩美は掲示板を指差した。新一達は自分の名前を探した。