第10章 中学生活の始まり
哀 「まったくもう」
その聞き覚えのある声に二人は後ろを振り向いた。そこには哀の姿があった。
志 「哀?」
志保はびっくりして新一の後ろに隠れた。
哀 「なにしてるのよ志保?」
志 「いや・・・その・・・」
志保は新一の背中から出てきた。
哀 「はい忘れ物」
哀はそう言うと弁当の入ったバックを志保に手渡した。
志 「あ、ありがとう」
志保はそれを受け取る。その光景を呆然と見つめる新一。
哀 「じゃ」
そう言ってその場から帰ろうとする哀を志保が
志 「ちょっと待ってよ」
哀 「なによ?」
志 「何で持って来てくれたの?それにこの状況なにも言わないの?」
哀 「何でって、あなたがせっかく作ったんだから困ってるだろうと思って。一度携帯にかけたんだけどつながらなかったからこの眼鏡で」
そう言って哀は新一がコナンの時に使っていた追跡ネガネを取り出した。
哀 「これであなたのバッチを手がかりに探したのよ。それにその時点で新一のバッチも一緒にとらえたからデートしてるってわかったのよ。そのお弁当も新一の為だってこともね」
志 「・・・そう・・・で、私達がデートしているの何も言わないの?」
哀 「なぜ言わなきゃならなの?」
志 「だって・・・」
哀 「別にいいじゃない、私も新一とデートしてる時にはじゃましてほしくないから今日は邪魔しないわよ」
哀はそう言ってその場から帰ろうとした。すると、
志 「まってよ哀」
そう言って志保は哀の腕を取った。
哀 「なによ志保?」
哀は不思議そうな顔をして志保を見た。
志 「せっかくここまで来たんだから一緒に食べてったら?」
哀 「デートの邪魔でしょ私?」
そう言って哀は新一を見た。
新 「別に邪魔じゃねーよ」
哀 「志保がいいならそうさせてもらおうかしら」
志 「いいわよ。このまま帰られちゃ、なにか納得いかないし」
そう言って志保はお弁当を広げ始めた。
新 「お、うまそうだな」
そう言って新一は卵焼きに手を伸ばした。
志 「もちろん。愛情詰まってるからね」
哀 「へ~」
志 「なによ?」
哀 「別に~」
そう言いながら志保のお弁当に舌鼓をうった。そして
新 「あ~腹いっぱいになったしこれからどうするか?」
新一は二人を見た。すると哀は