第10章 中学生活の始まり
志保は初めて新一の部屋に入った。もちろん哀も入った事は無かった。志保は部屋を見回しながらゆっくりと新一が眠るベットに近づいた。
志 「可愛い寝顔しちゃって」
志保は眠る新一の顔を見てそう言った。
志 「新一起きて、朝だよ」
新 「・・・ん・・・あと5分・・・」
新一はまったく起きようとはしなかった。それを見た志保は、
志 (起きないなら・・・)
志保は新一の顔に自分の顔を近づけていった。あと少しで唇が触れようとした時、
哀 「なにやってるのかしら志保?」
急に哀がドアの所に立っていた。
志 「急に何よ哀」
志保はあせりながら言った。
哀 「それはこっちの台詞だけど?なにやってるのかしら?」
志 「新一を起こそうと思って」
哀 「普通に起こしたらいいんじゃないの?」
志 「だって起きないから・・・それに新一の寝顔可愛くって~」
哀 「だからってキスしようとしなくてもいいんじゃない?」
朝から二人は言い争いをしていた。その言い合いで新一は目を覚ました。
新 「まったく、朝からなにやってるんだよお前達?」
志 「私は新一を起こそうとしたら、哀が・・・」
哀 「起こそうって、キスしようとしてたくせに」
志 「別にそれはただ・・・」
哀 「ただなによ?」
新 「もう起きたからいいよ」
そう言って新一は二人を自分の部屋に残して階段を下りていった。
新 「はぁ、もしかして毎日朝からこんなか・・・?」
ぶつぶつ言いながら顔を洗いに洗面台に向かった。取残された二人は、
志 「じゃましないでよね哀」
哀 「じゃまって、有希子さんから変な事しないでって言われなかったかしら?」
志 「それは新一に言ったことでしょ?」
哀 「一緒の事よ」
そう言って二人の言い合いは数十分続いた。
志 「もういいわ、私出かけるから」
そう哀に言い残し志保は自分の部屋に入り準備をして出て行った。
哀 「まったくもう」
哀はあきれたような声を出して階段を下りていく。そこには志保が作ったご飯を食べ、自分でいれたコーヒーを飲んでいる新一がいた。
新 「終わったのか?」
哀 「えぇ、もう出かけるって」
新一は時計を見た。時間はまだ9時前だった。