第9章 これからそして卒業
哀はゆっくりと話し始めた。
哀 「推薦の話が来てるのはご存知ですよね?」
優 「あぁ、聞いている」
哀 「それでどうするか迷っているんです・・・」
博 「志保君も帝丹にいくんじゃ、それに新一、みんなも。哀君も帝丹でいいんじゃないのか?」
哀 「・・・最初はそう思っていました。でも・・・」
優 「でも?」
哀 「その・・・色々とかかるし・・・」
哀は小さな声で言った。優作はその意味が分かった。
優 「そう言う事か。哀君は、本当は帝丹に行きたいが、推薦で特待生としていけばお金がかからない、しかし帝丹に行けば私立だしそれなりのお金がかかる。そう言う事だね?」
優作はじっと哀の方を見て言った。哀は下を向きながらうなずいた。
博 「なんだそうゆうことか」
哀 「博士には色々してもらってるし、私だけでなく志保もいるし・・・ただでさえフサエさんと一緒に暮らしたいのに私達がいるせいで・・・」
博 「哀君、中学、そしてその後も自分の行きたい所へ行きなさい」
哀 「でも・・・」
フ 「哀ちゃん私もそう思います。行きたくも無い所に行くより行きたい所に行って頂戴。私も応援しますよ」
フサエは哀を見て微笑んだ。
哀 「そんな、フサエさんまで迷惑かけれません」
フ 「迷惑?迷惑なんかじゃないわよ。親なんですから当然の事ですよ」
哀 「・・・親・・・」
博 「そうじゃよ哀君。わしもフサエさんも哀君、志保君の事を本当の子供のように思っているんじゃ」
哀 「博士、フサエさん・・・」
優 「哀君、君の考えている事もわかる。でも少しは博士やフサエさんの好意に甘えてみてはどうかな?」
哀 「優作さん・・・」
博 「哀君、君の行きたい学校はどこかね?」
哀 「私は・・・私は、みんなと一緒に帝丹に行きたい・・・」
哀の目には涙がうかんでいた。
博 「そうか。それなら帝丹に行きなさい、わし達に遠慮する事は無い。ちゃんと最後まで君達の事を応援するから」
フ 「そうですよ哀ちゃん」
哀 「博士、フサエさん・・・ありがとう」
哀はそう言って涙を拭いた。そして優作が、
優 「それで、そこにいる人たちもいいかな?」
優作は扉の方を見て言った。
有 「あらばれちゃってた♪」
そう言って、有希子、新一、志保は部屋に入った。