第9章 これからそして卒業
優作は博士の元に戻るとさっきの事を話した。
博 「たしかにわしも気になっておるんじゃ」
優 「そうですか、なら・・・・という事にしましょう」
博 「あぁ、わかったぞ優作君」
そう言って優作は席を立つ時にグラスを倒した。グラスの中の酒が博士の洋服にかかった。そして哀の元へ行き、
優 「志保君、ちょっとお願いがあるんだが」
志 「優作さん?なんでしょうか?」
優 「すまないが酒を博士にこぼしてしまったのだよ。家に帰って着替えを取りに行ってくれないだろうか?」
志 「あ、はい分かりました」
こうして志保は阿笠邸に戻った。
有 「優作、こぼしちゃって、博士大丈夫?哀ちゃんタオル持ってきてくれる?」
哀 「はい」
博 「あぁ、だいじょうぶじゃよ有希子君」
新 「なにやってるんだよ父さん」
優 「すまない、有希子酒が無くなってしまったんだ、買ってきてくれないか?」
有 「え~私が行くの~」
優 「すまない」
優作は有希子の目をじっと見て言った。有希子は優作が何かをあるとその目を見て思った。そして、
有 「わかったわ。新ちゃん~一緒に行こう~」
新 「なんで俺まで?」
有 「こんなか弱い女性を一人で歩かせるの?」
新 「わかったよ」
こうして有希子は新一の腕を持って家を出た。
そして哀がタオルを持って来た。そこには優作、博士、フサエしかいなかった。
哀 「あれ、みんなは?」
優 「ちょっと色々と私が頼んでしまったので」
そう言って席に座った。哀は何かあるとこの雰囲気で思った。
優 「ちょっと座ってくれないか哀君」
哀 「・・・はい」
哀は言われたまま席に座った。
優 「哀君なにか悩みがあるんじゃないのか?」
哀 「・・・別にありません」
優作は哀の目をじっと見た。哀はその目を見れなかった。
博 「哀君、なにかあるのなら言ってくれないか?」
フ 「そうですよ哀ちゃん。なにか悩んでるのなら」
優 「哀君、フサエさんは君の事心配してるんだよ。本当のお母さんのように。もちろん博士も」
哀 「優作さん・・・」
哀は優作の目を見た。優作の目はまっすぐ哀に向けられていた。その目は新一と一緒で嘘なんかつけないと思った。そしてゆっくりと話し出した。
哀 「実は、進路の事で・・・」