第3章 厨二病みたいね
手早く済ませるため
買い物前に買い物リストをチェック
まずは食材
今日の晩御飯は豆腐ハンバーグだから
豆腐とひき肉と玉ねぎと…
きのこソースにするから
しめじとえのき茸も見よう
それから、トイレットペーパー
食器用洗剤、シャンプーの詰め替え
ついでにコンディショナーの詰め替えも
ペットボトルの麦茶も欲しい
あぁ荷物が重くなりそう
今年こそ車の免許取りに行きたい
本当なら18歳の時に取るはずだったのに
そんな精神状態じゃなかったから
まず自動車学校に行けなかった
30万、自分で貯めないとダメだしね
あの女は親のすねかじってるんだろうな
羨ましくもないけれど
どうでもいいや
とにかく会わないように早く終わらせよ
*
よっしゃ、やった、よかった
無事に会わずにレジまで来れた
店中回ってて会わなかったんだから
今日は絶対にいない
やっぱり前のは偶然だったんだ
いやな偶然だ
だけど今日は大丈夫だったから!
荷物は重いけど全然帰れる
むしろ嬉しくてスキップできそう
…ごめん嘘ついた無理
早く帰ってご飯食べたい
気張ってた分疲れたしお腹空いた
ふと思い出したけど前買ったプリン
美味しかったな
今日もコンビニに寄りたいけど
この荷物じゃちょっと厳しい
プリンはまた明日にしよっと
よしよし、さぁ早く帰ろう…
「霜月…っ!」
え?今なにか聞こえた?聞こえてないよね?
うん聞こえてないよ気のせいだ
とうとう幻聴か疲れてんのかな
「お、おい!」
幻聴だと思いたかった
思いたかったけどこんな風に目の前に
現れられたら現実だと受け止めるしかない
確かに自分でフラグ立てたけど!
こうも見事に!!嘘でしょ!!自分を恨む!
「霜月…だよな?
俺のこと覚えてない、か?」
忘れたくても忘れられるわけがない
忘れられることならいっそ忘れたい
昔からよく言うでしょ
〝虐めた方は忘れても
虐められた方は一生覚えてる〟って
今回の場合は虐めた方も覚えてるらしいが
「宍戸先輩。覚えてますよ」
「!!」
一瞬、嬉しそうな
でもすぐに苦しそうな顔になった
一体どういう気持ちで
この人は私の目の前に立っているんだろう
ただただ不愉快だ