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愛されたい症候群。

第15章 信じてた正義は思い違いな事実だった





許してもらえるわけがない
分かってるそんなこと俺にだって
でも、それならば、俺は俺たちはどうやって


「認めるしかねぇよ、岳人。
もうちゃんと飲み込めよ。
悪かったのは俺たちだ。霜月じゃない」

「っ!亮は気づいてたからそんな簡単に
言えるかもしんねぇけど…」

「簡単に?簡単じゃねぇから
あの時言えなかったんだろ!!!」

「おい!ここで俺らが喧嘩したところで
なんの意味もあらへんやろ!!」


怒声に怒声が重なって
場がぐちゃぐちゃになっているのは
俺でもわかった


なんで、自分の過ちを認めることが
こんなに難しいんだろう

どうして向き合えないんだ俺は

情けない かっこ悪い どうしようもない
俺はこんなにも愚かな人間だったのか


「·····岳人」

「お、れが逃げてても、っしょうがないって
分かってんだ。俺が悪かったって、
でも、っ」


20歳にもなってこんな風に
ボロボロと涙を流す俺はなんて
みっともないんだろう

だけど、亮も侑士もそんな俺を見て
笑ったりする様子はなかった


「さっきも言うたけど悪いのは
岳人だけやないねん。全員、同罪。
お前1人に責任押し付けるわけないやろ」

「っ·····」

「許しを求める権利はない。
やけど、やからってなにも認めへんかったら
それこそ一生クズのまんまや」

「ちゃんと認めるだけまともだよお前は」


何も変わらない2人の態度に余計に目頭が
熱くなりかけた時、霜月の顔が頭を過ぎった


認めて、意識して、やっと自分のしてしまった
事の大きさに気付かされる


「おれ、俺どうしたらいい。
どうやってアイツに、」


今更謝罪など意味を成さない
許して欲しいなんてあまりにおこがましい
だけど何もしないでいいなんてこと
絶対にない それだけは分かる


侑士は俺と亮を交互に見て
小さく息を吐いた



「もう1回、霜月とちゃんと話そか」



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