第14章 そんな言葉で私を傷つけるの
みんな自分のことしか考えていない
自身の平穏が最優先で
みんな自分が1番可愛いんだ
そんなこと、中学の時に知った事実
ただそれで彼等を許すなんて無い
そんな気は微塵も起きない
「そんなに怖いですか?」
「あぁ!?」
「そんなに自分の罪を認めるのが怖いですか。
嫌ですか。逃げたいですか。
目を逸らし続ければ済む事だと
本気で思っていらっしゃるんですか?」
「うるせぇ!うるせぇ!!!」
「ほんと会話にならない…。
このまま時間を潰しても意味が無いので
今日は帰ります」
「ま、まて霜月!岳人なら、」
「もう来ないなんて言ってません。
3人の意見がまとまったら呼んでください。
ま…そんな悠長にしている暇が
あるなら、ですけど」
どうせ向日先輩は私の話なんて
聞きやしないだろうし
そんな彼を説得する時間は無駄でしかない
もし向日先輩が認めないのであれば
彼を除いてもらうか
この話は無かったことにするだけ
他に方法なんていくらでもあるだろうし
「あ、そうだ最後に…。
いくらでも現実から顔背けていただいて
構わないですけどね」
苦虫を噛み潰したような顔をしている
向日先輩の目に視線を合わせる
瞳に現れている動揺があまりにも哀れだ
こんなに苦しい想いをするくらいなら
さっさと認めてしまえばいいのに
プライドが許さないのかな
そんなクソみたいなプライドに
価値なんてあるのだろうか
「私が被害者であるという事実は決して
覆らないんですよ」
「っ!!帰れ、さっさと出てけ!!!!」
「言われなくても。では、お邪魔しました」
「あ…送ってくで」
「そんな遅い時間でも無いですし大丈夫です。
それより話し合いでもなんでも
した方がいいんじゃないですか」
いつまでくだらないことに時間をかけるか
知らないけど
時は金なりとはよく言ったものだ
全部終わってしまった後に
後悔したってどうしようもない
さっさと行動に移さないと意味無いのに
帰り道を歩きながら
自分が思っていたより疲れていたことに
気がついた
…今日はゆっくりしながら早く寝ようかな
その前に何か美味しいものでも買って
自分に優しくしてくれるのも
甘やかしてくれるのも、自分だけだ