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愛されたい症候群。

第11章 記憶の引き出し




「…まぁ急やしこんなもんか」

「んだよ忍足。いきなり呼び出すなんて」

「俺ねむいんだけどー」

「岳人、言うてへんのか」

「と、とりあえず呼ばなきゃって」


部屋に集まったのは
岳人、宍戸、ジロー、鳳の4人

樺地は跡部に1番懐いているだろうから
呼んでも意味が無いと判断した

滝は授業があるため来れず
日吉は暇ではないとの連絡が来たらしい


「お前らが来れば充分やわ。
話は単純。りおなのことや」


名前を出した瞬間、苦い空気が走った


宍戸も鳳も表情が曇る

特に岳人は
話したくない聞きたくないとでも
言いたいような顔だ

ジローは…
相変わらず眠そうに瞬きをしている


「こないだ聞いた話やけどな
跡部はりおなと結婚を考えとるようや」

「は!?結婚て、」

「ま、まぁ早ぇとは思うけど
跡部なら別にな」

「お金の心配も無いでしょうしね」

「俺は気に食わんねん」


お前らも同じ気持ちだろう、なんて
言わなくても雰囲気でわかる

だけど迷いがあるこの空気は


「俺たちに邪魔する権利はなくな~い?
2人は純粋に好き同士なんだから
周りがとやかく言うのは変だC~」


まさかジローが発言するとは思わなく
驚いて言葉に詰まったが
ジローが言っていることは正論だ

気に食わないという理由で
周囲の人間が邪魔をするものではない


「せやな。好き同士、ならな」


おい、とスマホを指さすと
岳人は慌てた手つきでスマホを取り出した


少し操作をして
画面を皆に見せるように中央に置く

俺に送られてきたものと同じ画像だ


「これって」

「一昨日ぐらいに俺が、撮った。
俺も信じらんなかったけど
でもこれどう見たって」

「りおなやろ。
純粋に好きな相手がおる奴が
こんな真似するか?」

「…しないと思う」

「さっき岳人たちが来る間
主に高校ん時のクラスメイトとかに
聞いたんや。当時のりおなんこと」


そしたらなぁおもろいこと聞けたわ


おもろすぎてもはや笑い声すら出んかった




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