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愛されたい症候群。

第8章 もう泣かないって決めたあの時の誓いは




「頬ちぎれるかと思った…」

「なんや、もーちょいか」

「同じことしてやろーか」

「は?触んな」

「このクソピアス…」


デレ少なくない?なんなの?
今流行りのツンデレ9:1くらいなの?
流行りでもないか


「で、はよ言えや。ほんまにちぎるで」

「目ガチじゃん!
言う!言います!!」


何とか頬は死守 危ない
財前なら本当にやりそうで笑えない


「んーっと…なんだ。
どっから話したらいいんだ」

「なんで霜月はマネ始めたん」

「なんでだっけ…。あ、そうだ。
宍戸先輩に誘われてね」


中学の時、校外活動委員っていう
ボランティア委員に入ったのだが
その時に仲良く…というか
喋るようになったのが宍戸先輩

ペアになって校外掃除、という活動が多く
わりと一緒に掃除をしてた



金持ちでプライドが高くて
話しにくい人が多いイメージがある
氷帝だったのだが
宍戸先輩は話しやすくて
冗談とかも言える仲にもなれて


そんな時、唐突に誘われたのだ


テニス部のマネージャーにならないか、と



氷帝テニス部は跡部先輩を筆頭に
学校中の注目の的でもはやアイドルのような存在

そうなればやはり選手目当ての
マネージャーしか入ってこないようで
困り果てた先輩方は決めたのだ


選手の誰かが推薦した女子生徒しか
マネージャーにはしない


わざわざ全校中の女子生徒を敵に回してまで
テニス部を追いかけたいとは
思わなかったし
そもそも興味を示さなかった私が
丁度よかったらしい


「断りゃよかったやんけ」

「他の先輩とか怖かったし嫌だって
言ってたんだけど、跡部先輩直々に
頼みに来られると無理だよね」


教室に来やがったせいで
周りからは一斉に注目されるし
もはや断れる雰囲気は無かった

そんな理由で始めたのだが

わりと雑用とかは好きなほうなので
仕事は楽しんでやれた


「大人しくしてたから
他の人から目を付けられることも
少なくて済んだよ」

「…それでもあったんやな」

「まぁ、多少」


人間の嫉妬や羨望は凄まじいってことが
身にしみたなぁ

なんて嬉しくない思い出だ





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