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愛されたい症候群。

第8章 もう泣かないって決めたあの時の誓いは




「テニス部内で誰かが嫌われるなんて
ありえない事だったんだよね。
レギュラーの中では、だけど」

「部員多すぎなんや」

「間違いないわ。
しかも嫌われたのはマネージャー。
ただでさえ女マネージャーっていうのは
厳しい目で見られてたのに」


部員から、クラスの人、他クラスの人、
そこから他学年にまで
何なら先生からも


「私はほぼ全ての人から
非難の目を向けられていたよ」


生徒だけでも1600を超える人がいて
そこに先生も加わるんだから
もう何人だよっていうね

もちろん名前も、顔すらまともに
覚えてない人たちから
そこにいるだけで蔑んだ目で見られる生活

まともに生きられるわけない

あの頃の私はどうやって
生きていたんだろう


「…嵌められたんか」

「え」

「あ?」

「いや、何したんだって言われるかと」

「そんなアホするような奴やない
ことくらい分かっとるわ。アホやけど」

「最後のセリフ最高に余計だな。
まぁ確かに…嵌められたのかもね」


あの人がテニス部に入ってきた瞬間
私は逃げてれば良かった
平和に終わるわけが無いんだから


自分が傷つくこと、分かってたのに
逃げたくない、だとか
仲間がいるから、なんて
綺麗事ばっかり信じて

上手にあの女の掌の上で転がされたなぁ


「もう1人のマネージャーが
関係あったりしよるんか」

「まぁ、そうだね。
私の一つ上。名前は霜月 りおな」


財前って基本ポーカーフェイスだけど
珍しい、驚いた顔してる

と言っても目を見開いてるだけだけど


「私のお姉ちゃんだよ。
…あんな女が姉だなんて吐き気がするわ」


向こうも私が妹なんて
認めてないんだろうね

ただの駒、玩具
自分が生きてく上でのストレス発散

人間とすら思ってなかったりして


「こっから長くなるけど時間大丈夫?」

「かまへん」

「つまんないよ」


他人の…嫌われた話なんて


「うっとおしい」

「は…い、ちょ!?いっったいったい!!」

「はよ言え」

「ちょま、いだいいだだだだ!!!」


ちょっとしんみりするとこれだよ!

財前が手を伸ばしてきて
何かと思ったら
思いっきり頬をつねってきやがった

本気で痛いんだけど!?


「うわぶっさいく」

「誰のせいだ誰の」



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