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愛されたい症候群。

第5章 今日はあんみつ食べに来たけど




窓が少し開いているからか
中からは洗濯機が動いている音がする

あのマネージャーがコートを離れたところを
見ていないがいつの間にか
洗濯をしに行ってたのだろうか


よく聞けば水が流れる音…
何かを洗っている音もする

なんだ、中にいるのか

一応マネージャーらしいし
そりゃあ仕事もちゃんとするだろうな、と
中を見てみたら


そこにいたのはあの女では無かった



似ても似つかぬ全く違うタイプの女



氷帝のジャージを着ているから
もう1人のマネージャー…?

でも2人もいるって言ってたか?
2人だとしたら
なぜ今の今まで姿を見せない?

もしかしてストーカー的なヤバイ奴…


コイツがどんな奴でも
俺には全くもって関係ないことだが
ストーカーだとしたら
どんな行動をするのか気になって
ちょっと見ていることにした

どうせサボりだし


*


…15、20分くらい経っただろうか

中にいる女は俺が思っていたような
奴では無かった


丁寧にボトルを洗い終えてから
動きが止まった洗濯機の様子を見て
また動かしてから今度は掃除をし始めた

ついでなのか周りの整理整頓まで



目まぐるしく動くソイツは
コートにいたあの女よりよっぽど
マネージャーらしく見える

何故こんな所で1人で動いているのか
俺には検討もつかないが

忙しく動くも生き生きとした表情の彼女から
目が離せない俺がいるわけで


傍から見たら俺の方がストーカーだ

そんなことは分かっていたけど
何故か見てしまう


ある程度掃除が終わったのか
彼女がホウキや雑巾を片付け始めた頃


「ざーいぜーん!」


聞こえてきた声
この声は…謙也さん

流石にいなくなったのがバレたらしい


中の彼女には聞こえなかったのか
慣れた手つきでドリンクを作り始めた

このまま居たら
見ていたことがバレる
そうなれば多分、いや絶対気持ち悪がられる
俺だったらそう思うから


またあの空間の中で練習をしなければ
いけないのか、とため息をつきながら
仕方なく部室棟を離れた




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