第4章 あるとすれば性格に難アリ
休日の朝と平日と大して変わらない
あまりにも遅く起きたり
ぐだぐたしてたりすると月曜日、
会社に行くのがだるくなるから
6時に携帯のアラームが鳴って
ちょっと寝ぼけながら音を止める
目を覚ますついでにSNSをチェック
珍しい人からメッセージが
きていることに気がついた
『そっちおんねん。飲もや』
何故こっちにいるのか
しかも朝っぱらから飲みの誘いとは
この辺ではあんまりいない方言丸出しな口調
わざわざ関西から何しに来たんだ
確か彼は大学生
試合か何かの遠征だろうか
『いいけど何時?』
『1時ぐらい』
『昼間っから酒飲んでていいの学生』
『余裕や』
何がどう余裕なのか 阿呆なのか
そんなことを直接言えば会ったときに
叩かれるので黙っておく
場所はお安い居酒屋に決まった
お酒は好きだ
最近嫌なことばっかりだったし
いい気分転換になるかも
じゃあそれまでに色々片付けようかな
*
10分前には着きたかったが
結局バタついてしまってギリギリに
店の前には見覚えのある黒髪で
5色のピアスを付けてる男が立っていた
ものすごくダルそうにしているが
誘ったのはお前だろ
「ごめんごめん、お待たせ」
「遅いわ」
「遅刻はしてないからな」
時間前行動とか
意外に真面目なんですねビックリ
あれ、最初は気のせいか他人かと
思っていたのだけど
彼…財前の横には知らない男の人がいる
こんにちはーとか言われてるし
絶対知り合いですよね君の
それにしても見事な顔面偏差値が眩しい
「これ俺の先輩」
「おま、先輩に対してこれはないやろ!」
「急にごめんなぁ?
財前が知り合いと飲むっちゅーから
男やと思ってたわ」
ま じ か
私そこまでコミュニケーション力
高くないんですけども
まさかの知らない人2人(しかも男)と
そこそこの知り合いと昼間っから酒ですか
これなんの罰ゲーム
今更帰るなんて言えないから
店に入るしかないじゃないか…
財前おい、ふざけんな
「はよ入ろや。何してんねんノロマ」
「こっちは急展開に
頭の整理が追いついてないんですけど」
「はぁ?」
何言ってんのコイツって顔してるけど
絶対に私は正常だ