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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第41章 消えた灯りと人魚姫の歌




「出航だ、錨を上げろ。」

「「うぇーい…。」」

ローの指示に返事をしたのは、未だ酒が抜けず二日酔いに苦しむクルーたち。

相変わらず、酒を飲んでは飲まれるタイプらしい。

「うぅ、ぎもぢ悪ィ…。」

「あだま痛いッス…。」

6年前からなんの成長もしていない仲間たちに、モモは苦笑しつつも二日酔いに効く薬を差し出した。


錨の上がった船は、すぐに海流にのって進み始める。

魚人島、リュウグウ王国。

再びモモの冒険が始まってから、二度目の島。

とんでもない事件に巻き込まれたけど、すごく楽しかった。

島を離れる瞬間感じたのは、少しの寂しさと次の冒険へのワクワクとした高揚感。

そうだ、旅立ちとはこういうものだった。

出会いと別れ。
それを繰り返して強くなっていく。

この旅が始まって、コハクはどんどん成長していく。

だからモモも、もっともっと強くならなくては。

想いが通じ合えない。
そんなことでくよくよしていてはいけないんだよ。


「…モモ様ッ!」

突如 海面が盛り上がり、ザパンと飛び出してきたのは瞳に涙をいっぱい溜めたしらほしだった。

「わッ、びっくりした…! しらほし、その登場の仕方は止めて。」

まるで昨夜のデジャヴのようだ。

「す、すみません…ッ」

「ほら、泣かないで。また会えるでしょう?」

泣き虫は卒業したんじゃないの? と尋ねると、彼女は必死に涙を飲み込んだ。

「な、泣いてません…! だから、また必ず冒険しましょうね?」

「もちろんよ、約束ね。」

しらほしの大きな小指に約束の証で自分の小指をチョンと触れ合わせると、たちまち笑顔になった。



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