第41章 消えた灯りと人魚姫の歌
モモがいったいどんな理由で自分を説得するかに興味があったけど、まさかの理由に目を見開いた。
ここ魚人島は、確かに麦わら海賊団のナワバリ。
だけど、それがなんだというのだ。
「…で?」
「え…?」
意味がわからなくて首を傾げると、同じようにモモまでも首を傾げた。
「ここが麦わら屋のナワバリだからって、俺たちには関係ねェだろ。」
不思議そうな目を向けるモモに、らちがあかないのでハッキリ告げてやると、彼女はとても驚いた顔をした。
「なに言ってるの、麦わらのルフィはあなたの同盟相手なんでしょう?」
「お前こそなにを言ってる。麦わら屋とは同盟を結んじゃいるが、それとこれとは話が違ェ。」
ローとルフィが結んだ同盟は“カイドウを倒す”とういう共闘同盟だ。
「…そもそも、お前は同盟というものをわかってんのか。」
なんだか嫌な予感がする。
確か、以前にもこんなことがあった。
あれはそう、パンクハザードでの出来事。
同盟を結んだばかりの頃、ルフィが目的とは全く関係のない要求をしてきたことがあった。
あの時、ルフィが認識していた“同盟”とは…。
「え、友達みたいなものでしょう?」
「……。」
嫌な予感が的中した。
モモの答えは、ルフィと完全に同じものだった。
ドッと疲れのようなものが押し寄せる。
“モモ様はルフィ様に似てらっしゃいます”
先ほどのしらほしの言葉が蘇る。
認めたくない。
認めたくないけど…。
(確かに、似てやがる…。)
あのルフィに似たところがある女に惚れてしまったという事実は、ローに大きな脱力感を与えた。
「…? どうしたの?」
なぜローがガックリとしているのかわからなくて不思議がるモモに、ローは力無く首を振った。
「…なんでもねェ。」
この分だと、ルフィの頑固さまで同じな気がしてならない。
だけど、それを確かめる勇気はなかった。
これ以上、共通点を見つけたくない。
「もう、好きにしろ。」
「ほんと!? ありがとう、ロー!」
結局、モモに振り回されるしか選択肢は残されていないのだった。