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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第41章 消えた灯りと人魚姫の歌




「原因解明を、しらほしが…?」

「はい…!」

引っ込み思案の彼女から、まさかそんな発言が飛び出るとは思っていなかった。

「でもさ、しらほし。アンタ世界樹の知識とかあんの?」

コハクの冷静な突っ込みに、しらほしは「う…」と唸る。

「そ、それは…、ありません…けど。」

考えてみれば当然だ。
しらほしは数ヶ月前まで部屋からも出られなかったのだから。

「それじゃ、解明は難しいんじゃねーの。」

「うう…。」

やっぱりそうだろうか。

頑張って勇気を出してはみたものの、自分なんかにどうにかできる問題ではないのか。

速攻で出鼻をくじかれ、涙腺がウルウルと潤む。


「そんな顔しないで、しらほし。わたしも手伝うわ。」

「え…ッ」
「あ…?」

モモの申し出にしらほしが驚きの声を上げたのと、ローが目を剥いたのは ほぼ同時だった。

「本当ですか、モモ様!」

「オイ、そりゃァなんの冗談だ。今の状況をわかってんのか?」

「えっと…。」

これまた同時に話され、どっちに答えたらいいか悩む。

いや、ここは厄介なところから片付けた方がいいだろう。

そう思ってローに向き直る。


「ごめんなさい、ロー。でも、どちらにせよ世界樹をこのままにできないわ。」

このまま太陽光が戻らなければ、この魚人島は永遠に暗闇に包まれたままだ。

「放っときゃいいだろ、そんなの。お前、犯人扱いされたことを忘れたのか。」

あんな連中に、なにかをしてやる義理などない。

「だったらなおさら、疑いを晴らしたいじゃない。」

この大事件を引き起こしたのが自分だと思われたままなのは、絶対嫌だ。

「…俺たちには、関係のねェことだ。」

あくまで関わり合いになりたくなさそうなローに、モモは説得を続ける。


「あるわ、関係。」

「へぇ、どんな?」

言い切ったモモに興味が湧いたのか、ローは少し面白そうに尋ねた。

「だってここは、麦わら海賊団のナワバリじゃない!」



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