第40章 深海の島と海の森
「しらほしは、麦わらのルフィとどんな関係なの?」
しらほしの案内で海の森を散策してる最中、ずっと気になっていたことを聞いてみた。
「ルフィ様でございますか…? ルフィ様はわたくしの…お、お友達です。」
“友達”のところでしらほしは頬を僅かに染めた。
「大切な人なのね。」
「はい…。わたくし、初めてメガロ以外のお友達ができましたの。…あ、メガロというのは、お友達のサメのことで。」
しらほしはずっと、メガロ以外、友達がいなかった。
それは、バンダー・デッケンという魚人海賊による“マトマトの呪い”のせいなのだが、10年近くにもなる呪いは、数ヶ月前、麦わらのルフィによって解放された。
「今度また会った時には、わたくしを地上の森まで連れて行ってくれると約束してくださいました。…わたくしは、それまでに泣き虫を卒業しなければならないのです。」
だからなのか。
先ほどしらほしが、ああまで泣いていることを隠そうとしていたのは。
同じく泣き虫であるモモは、彼女の決意に感心した。
「わたしも…、会ってみたいと思っているの。」
モモはルフィに会って、どうしても確かめたいことがある。
「まあ…、そうでしたの。モモ様はまだ、ルフィ様にお会いになったことがないのですね。」
「ええ。」
恐らく、これから会うことにはなるだろう。
ローとルフィは、現在も同盟中だから。
「あの…、もしルフィ様にお会いになったら、先ほどのことは…。」
出会い頭に泣きじゃくったことを言っているのだろう。
「ふふ、わかってる。あれは2人だけの秘密ね。」
こうして共に分かち合える秘密を作ると、まるでしらほしと友達になれたみたいな錯覚に陥ってしまう。
「ああ、モモ様。ご覧ください、あれが海の森の名物…陽樹 イブです。」
しらほしの言葉に顔を上げると、目の前には光輝く巨大樹が、堂々と聳えていた。