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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第40章 深海の島と海の森




翌朝、日が昇ると同時に海賊船は浮上した。

「これが…、魚人島…!?」

浮上してすぐにデッキに出たモモとコハクは、その全貌に驚く。

大きなシャボンに包まれた魚人島は、まるでおとぎ話にでも出てきそうな海底の島。

「すげぇな、海底なのにどうして明るいんだ?」

よく見れば空も雲もある。

とても海中の島とは思えない。
気を抜くと海の底にいることを忘れてしまいそうだ。


「ヘヘ…、驚くのはまだ早いぜ? 魚人島はグランドラインの名スポットだからな。」

「2人は、魚人と人魚にも会ったことがないだったな。ならば島を歩くだけでも面白いかもしれん。」

島にはたくさんの種類の魚人と人魚が存在している。

なにも知らない2人にとっては、きっと刺激的なことばかりだろう。


「魚人島の治安は、少し前にすげぇ良くなったんスよ。だからモモも、安心して歩けるんじゃないスか?」

「そうなの?」

なにがどうなって治安が向上したのかはわからないけど、良いにこしたことはない。

けれどローは、釘を差すようにモモを見下ろした。

「わかってるとは思うが…。いくら治安が良くても、ひとりで行動するのは禁止だ。」

「…ハイ。」

シャボンディ諸島で自分がどれだけ迷惑を掛けたか、忘れたわけではない。

モモは素直に返事をする。

「まあまあ、キャプテン。そんなに睨んだらモモが可哀想だよ。」

「フン…。」

別に睨んだつもりはない。
ただ、心配なだけだ。


「ほら、あれが島の入口だよ!」

ベポが気を取り直すように指差す。

「わあ、綺麗…。」

水のアーチで出来た島の入口は、まるで夢の国の入口のよう。

「あ…。」

しかし、モモの目はその入口ではなく、入口に掲げられた“あるもの”に向けられた。

「あれは…。」

パタパタと風にはためく旗。

海賊旗だ。

海賊の象徴であるドクロが、麦わら帽子を被っている。

「ああ、そういえば魚人島は麦わら屋のナワバリだったな。」

「え…。」

ローの口から初めて“麦わらの一味”のことを聞いた。

考えてみれば当たり前のこと。
ローと彼らは同盟中なのだから。


この島には、きっと彼らの足跡が残っているに違いない。

麦わらの、ルフィ。

わたし、あなたに…--。



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