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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第38章 シャボン玉の島




「…なぜ一緒に来ない。」

「……、え…!? あ…えっと、なに?」

さあ言おう! とした瞬間にローが口を開き、タイミングを外してモモはひとりどぎまぎしてしまう。

「なぜ島に一緒に来ないのかって聞いてんだ。」

二度も言わすなとばかりに、眉を寄せられた。

「…ああ。それは、その、わたしの都合よ。」

あれ、今言えば良かったんじゃないか?

なんで誤魔化しちゃったんだろうと後悔する。

一度外したタイミングは、合わせるのがなかなか難しい。

「都合? それはどんな都合だ。」

「えっと…、だから…。」

ああ、なんだかますます言いづらくなってきた。

問い詰められて白状するなんて、まるで隠していたみたいで嫌だな。

いや、隠してたんだけど…。

でも、ちゃんと話そうとしてたってことはわかって欲しい。


「本当は、俺の近くにいるのが嫌なだけじゃねェのか。」

「え……?」

どう説明しようかと考えあぐねていると、まったく違う理由を言われて、ポカンと口を開ける。

「怒ってるんだろ。…俺を、許せねェんだろ。」

低く呟かれた。

ああ、あの時のことを言っているのね。

ローからしてみれば、そう思われても仕方ないだろう。

“あの行為”にモモが腹を立て、あからさまに避けるようになったと考えるのが普通だ。


でも、実際はそうじゃない。

モモは怒ってるんじゃない。傷ついたのだ。
…勝手に。

ローが自分を、特別に想ってくれていると勘違いして、それに気がついて傷ついただけ。

これに関しては、別にローは悪くない。

むしろ、悪いのはモモの方。

みんなに気を遣わせて、雰囲気を悪くしている。

そろそろこんなふうに拗ねるのも、止めにしないと。

だってさっき、仲間になりたいと思ったばかりなんだから。



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